ソフトウェア大手のMicrosoftは、Motorola Mobilityが必須特許を使用して「ウェブ上の動画を抹殺」しようとしていると述べた。これにより、Microsoftは、Motorola、つまり、同社を125億ドルで買収するGoogleに対し、そのFRAND(公正、合理的、かつ非差別的)特許の濫用を非難する大手技術企業に新たに加わることとなった。
Microsoftは米国時間2月22日、Motorolaが必須特許を公正かつ合理的な条件で提供していないとして、同社に対する競争法に関する正式な申し立てを欧州委員会(EC)に提出した。この申し立ては、ウェブ動画、および、「Windows」搭載PCや「Xbox」といった特定の端末がウェブ動画にアクセスして再生する方法に関連するMotorola保有の特許を対象としている。
Microsoftのバイスプレジデント兼副ゼネラルカウンセルを務めるDave Heiner氏は22日付けのブログ投稿で、「大西洋をはさんだ両大陸における法的措置を通して、MotorolaはMicrosoftに対し、その製品を市場から撤退するか、または、動画を再生しワイヤレスに接続するという標準に基づく機能を削除することを求めている」と記した。「そのような法的措置の唯一の根拠は、Motorolaが特許を保有していると主張する業界標準をこれらの製品が実装しているからというものである。しかし、業界でこれらの標準が採用されたとき、われわれはみな、Motorolaとそれに貢献したすべての関係者が自らの約束を果たしてくれると期待していた」(Heiner氏)
Heiner氏によると、モバイル企業MotorolaはMicrosoftに対し、1000ドルのノートPC1台につき22.50ドルのロイヤルティを支払うよう求めているという。これらのノートPCは、動画規格H.264に関連してMotorolaが保有する50件の特許に依存している。H.264を使用するには、FRAND条件に基づき、他の29社の企業からも特許のライセンスを受ける必要があると、Microsoftは述べている。これらの企業は同社に対し、「2300件以上の特許の使用料として2セント」を徴収している。
MotorolaがFRANDを濫用しているとして訴えられるのは初めてではない。カリフォルニア州クパチーノを拠点とするAppleは2012年2月に入り、ドイツの裁判所において同社の「iPhone」および「iPad」がMotorola保有の3G特許を侵害しているとの裁決が下され敗訴したことを受けて、MotorolaはFRAND条件に違反しているとして同社を控訴した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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