Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏は、サプライヤーの労働環境改善に関する同社の実績を再び擁護し、同社はこの問題を解決するため、どの同業他社よりも多くのことを行ってきたと述べた。
Cook氏は米国時間2月14日、投資家会議の中で、「われわれの業界に、Appleよりも積極的に労働環境改善に取り組んでいる企業は存在しない」と述べた。
Cook氏のコメントは、「iPhone」や「iPad」といったAppleの人気製品の生産に使われる工場の労働環境について批判が高まる中で出されたものだ。そうした批判の多くは、中国の労働者が直面する劣悪な環境の一部を取り上げたThe New York Timesの記事によって誘発された。
Appleは自らの行為を積極的に擁護してきた。支持者は、Hewlett-Packard(HP)やDellを含むほかのテクノロジ企業もAppleと同じ工場を使っていることを指摘する。批判者は、Appleはテクノロジ業界のリーダーなのだから、労働環境改善の呼びかけを主導するべきだと主張する。
Cook氏は、Appleは未成年労働力の使用を「忌まわしいこと」と考えていると述べ、それは同社のサプライチェーンでは極めて稀であることを指摘した。Appleがそれを完全に排除することは「最優先課題」だった。そして、Cook氏は、未成年労働力を故意に使用するサプライヤーとは契約を解除する可能性があると述べた。
「われわれは、安全性に関して手抜きをする者は何人たりとも許さない」(Cook氏)
Appleは透明性をより高めるため、同社サプライヤーの労働環境について毎月のデータ報告を開始する予定だ、とCook氏は述べた。同氏によると、1月に実施された工場の労働時間に関する調査では、84%が法令を順守していることが判明したという。
「彼らが実施している監査は規模と範囲、および透明性の点で、おそらく大量生産の歴史上、最も詳細な工場監査だ。結果を見るのを楽しみにしている。われわれは、人々がAppleに大きな期待をかけていることを認識している。われわれの自分自身に対する期待はそれよりも大きい」(Cook氏)
Cook氏がGoldman Sachs Technology and Internet Conferenceで話すのは2010年以降初めてのことで、CEO就任後では今回が最初だった。Cook氏は2007年と2008年にも同イベントで講演を行っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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