中国における「iPad」の商標をめぐってAppleが抱える法的問題が、ますます深刻化している。今度は中国の企業が、中国におけるiPadの輸出入禁止を求めた。
Bloombergによると、中国においてiPadという名称の商標権を保有すると主張するProview International Holdingsは、iPadの輸出入禁止を求めて同国の税関当局に書類を提出したという。
Proviewの主張が認められれば、人気の高いiPadの中国における販売に多大な影響が生じる可能性がある。世界規模の流通にも影響が生じるのは言うまでもない。iPadは、「iPhone」や「iPod touch」といった人気の高い他の多くのApple製品と同様に、中国で組み立てられている。
最初に法的な騒動が起こったのは、iPad発売直後のことだった。Appleは2010年、iPadという同社の商標を侵害しているとしてProviewを批判した。Proviewはこれに反論して、2000年の出願により複数の国において同商標を登録済みであることに加え、Appleが2006年に英国を拠点とするIP Application Developmentから同商標を購入しているが、その取引は同社の子会社の1社によるものであるため、Proviewは実際には同取引を承認していないことを述べている。
Appleの広報担当者であるCarolyn Wu氏はBloombergに対する声明で、「Proviewは、中国におけるAppleとの合意の有効性を認めることを拒んでいる」と述べた。「われわれの裁判は中国本土においてまだ係争中である」(Wu氏)
Proviewに対するAppleの最初の申し立ては、2011年11月に中級人民法院で棄却された。Appleは2012年1月、再審を求めて広東省の高級人民法院に控訴した。これに対しProviewは、iPadの商標をAppleが使用できないようにすることを目的として、Appleに対する一時的な差し止め命令を申請した。今週に入ってからの報道によると、中国当局は既に、サードパーティーの小売業者におけるiPadの在庫を差し止めているといい、これはこの命令に関連する動きである可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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