Microsoftは、次期主力OSである「Windows 8」の「ARM」チップ向けバージョンを、従来型のPCに搭載されるいわゆる「x86」チップ向けバージョンと同時にリリースする計画である。
このリリース計画は、Microsoftが2011年9月にWindows 8をプレビューして以来、明らかになっていなかった。また、新OSのARM版は、業界を主導するAppleの「iPad」に対抗することになるとMicrosoftが期待する多くのタブレットに搭載される予定であるため、これは重要なことである。
Windows担当プレジデントを務めるSteven Sinofsky氏は米国時間2月9日付けのブログ投稿で、より従来型のWindows搭載PCと「同時に、各種PCメーカーが(ARM版Windows搭載デバイスを)出荷できるようにすることがわれわれの総体的な目標である」と述べた。
Sinofsky氏はリリース予定日を明らかにしなかったが、多くのアナリストらが2012年末より前、おそらくは米国において夏の終わりにある新学期セールの時期に合わせて、新OSが登場すると予測している。
またSinofsky氏は、Microsoftが次期生産性スイート(開発コード名「Office 15」)において、ARM版Windows 8向けのバージョンを出荷する予定であることも明かした。このバージョンの「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」は、低消費電力でタッチ対応という、タブレットアプリケーションにおける重要な機能を実現するように設計されている。
ARM版Windowsは、「File Explorer」、デスクトップ版「Internet Explorer 10」、「その他の本質的なWindowsデスクトップ機能のほとんど」に対し、従来のWindowsデスクトップにおける使用感をサポートする予定であるともSinofsky氏は述べた。これらの本質的な機能のすべてが生産性アプリケーションと同様に、タッチ向けに設計され、電力およびリソースの消費が最小限に抑えられているとSinofsky氏は記している。
Windowsがタブレット上で成功を収めるかどうかの鍵を握るのは、Microsoftがタッチ操作のよりどころとする「Metro」ユーザーインターフェースが、開発者とユーザーにどれだけ受け入れられるかにかかっている。Sinofsky氏によると、ARM版Windows 8では、すべてのMetroスタイルアプリケーションが動作するという。またMicrosoftは、メール、カレンダー、コンタクト、写真、およびストレージ用のアプリケーションを含める予定であると同氏は記している。
Sinofsky氏は、ARM版Windowsは、デバイスにプレインストールして提供すると述べる。ユーザーがこのバージョンのWindowsをダウンロードして、既存のマシンにインストールすることはできない。ARMアーキテクチャは標準化されておらず、デバイスにより仕様が異なるためである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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