グリーは2月2日、2012年6月期第2四半期(10~12月)決算を発表した。売上高は415億2900万円(前年同期比2.9倍)、営業利益は225億3500万円(同3.25倍)、経常利益は224億6100万円(同3.25倍)、当期純利益は127億4000万円(同3.06倍)となった。有料課金収入は382億9000万円と好調だったほか、広告収入も32億3800万円と堅調に推移。すべての利益で過去最高を更新した。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「GREE」および、2011年4月に買収した「OpenFeint」の合計会員数は世界で約1億9000万人。今4月~6月期中にも両者を「GREE Platform」として統合する。2011年11月にはコンシューマーゲームメーカーらによる新プラットフォーム向けゲームタイトルを発表しているが、今春にも第2弾タイトルを発表する予定。また2月より、開発者向けにプラットフォームの情報を順次公開していく。さらに開発者の支援体制についても明らかにされた。
スマートフォンユーザーも増加しているという。すでに自社ゲーム7タイトル、パートナーゲーム700タイトルとなり、マネタイズも順調。ARPUについてはフィーチャーフォンと特に大きな違いはないが、アクティビティに関してはスマートフォンユーザーが若干高いという。
今後は新プラットフォームの展開に加えて、北米や中国、韓国など世界9拠点体制の構築をすすめる。オフィス構築はほぼ完了している状態で、順次現地でのオペレーションを展開していく。加えて世界の有力プラットフォームやキャリアとの提携を進めるほか、スマートフォン向けのコンテンツラインアップもさらに強化する。
またグリーでは、国内におけるソーシャルゲームのマネタイズが想定を上回ったとして、連結通期予想を上方修正している。売上高は1600億~1700億円(前回予想は1300億~1400億円)、営業利益は800億~900億円(同600億~700億円)、経常利益は800億~900億円(同600億~700億円)、純利益は440億~500億円(同330億~390億円)。欧米やアジアに関しては売り上げを織り込んでいない。
同日開かれた決算説明会の冒頭で、グリー代表取締役社長の田中良和氏は、2011年10月に消費者庁が出した「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」について触れた。
田中氏は、グリーが消費者庁の方針に沿って無料で利用できるサービスの具体的内容やその範囲を正確かつ明瞭に表示していると改めて説明。「サービス内容について消費者庁に実際に連絡して、サービス内容等を説明する中で、現在のところ問題ないという回答を頂いているという認識」(田中氏)。さらに10月の公表内容は新たな規制などを提示したものではないとして、「現在のところ適切に対応していると思っている」とした。
また田中氏は、「国内でソーシャルゲームの伸び悩みがあると一部で言われているが、我々の認識ではより求められる傾向にある。まだ伸び悩んでいない」と自社の好調ぶりを改めて強調。「任天堂などのいわゆるコンソールゲームメーカーも、日本の売上が1~2割であとは海外。実際のところ我々の売上はほとんど日本のみ。コンシュマーゲームでビジネスをする会社と同様に海外で成功すれば、相応の伸びはある」とした。
こうした好調な業績を発表する一方で、同社の株価は1月以降下落傾向にある。これに対して田中氏は「株価は我々が決定しているわけでない。我々が論じるところではない」とした上で、(1)消費者庁の発表によって、自社のビジネスに対する不確定な気持ちがあるのではないか(2)ソーシャルゲーム市場が伸びていないと思われているのではないか――と前述の2点を改めて懸念として挙げ、これらを今回の発表で払拭したいとした。
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