デジタル教科書はまだ初期の段階にあるため、この市場における成功を判断するのはまだ難しいかもしれない。しかしこれまでのところ、Appleはかなり好調のようだ。
調査企業Global Equities Researchのデータを入手したAll Things Digitalは、「iBookstore」を介したデジタル教科書の販売が提供開始後3日間で35万部に達したことが同調査会社により明らかになったと報じた。All Things Digitalの米国時間1月23日付け報道によると、Global Equities Researchは同社の「プロプライエタリな追跡システム」によって、教科書のダウンロード件数を調査しているという。Global Equities Researchは、同システムの動作方法を公表していない。
Appleは先週、「iPad」向けのデジタル教科書を発表した。教科書は、McGraw-HillやPearsonといった大手教科書出版社が提供するもので、紙のバージョンよりも格段に優れたインタラクティビティを備えている。これらの教科書には、動画、3D画像、直ちに参照可能な用語集、ハイライト表示やメモを追加するための機能が提供されている。また、Appleはこれまでのところ、高校用の教科書を14.99ドル以下という、従来の教科書よりも手頃な価格で提供している。
Global Equities Researchのデータを引用するAll Things Digitalによると、教科書は通常、価格に対する利幅が33〜35%であるため、この価格でも教科書出版社に損失が出るわけではないという。教科書の利幅が大きいのは、教室に届けられるまでのサプライチェーン全体にわたって多数の業者が関与するためである。Appleの場合は、消費者に教科書が直接販売されるため、中間業者や生産コストが省かれ、出版社は教科書を割引価格で販売することが可能であるという。
Appleは先週のイベントで、教科書だけでなく書籍全体のデジタル化に向けて、「iBooks Author」も発表した。「Mac OS X」をベースとする同アプリケーションは、書籍の著作者がインタラクティブな「iBooks」や教科書を簡単に出版できるようにすることを目的にしている。Global Equities Researchによると、iBooks Authorは、提供開始後の3日間で9万回ダウンロードされたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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