ラスベガス発--基調講演者が重大なニュースを発表せずに明白なことばかりを語り始めると、Consumer Electronics Show(CES)が終わりに近づいているということなのかもしれない。
さまざまなこと語られた2012 International CESで、YouTubeのグローバルコンテンツパートナーシップ担当バイスプレジデントであるRobert Kyncl氏は米国時間1月12日午前、観衆で埋め尽くされたLas Vegas Hilton Theaterで最後の基調講演を行った。Kyncl氏はその中で、巨大な規模になったオンライン動画は未だに成長を続けており、マーケッターはそれを利用する方法を考え出そうとしていると述べた。Kyncl氏によると、YouTubeの毎月の視聴者数は8億人で、彼らは1カ月に30億時間の動画を視聴するという。
そうした成長とともに、YouTubeは極めて大きな経済的機会を見出している。可愛い猫の動画も素晴らしいが、プロフェッショナルによるコンテンツ制作では多額の利益が発生する。
YouTubeが2011年10月、同サイト向けオリジナル動画の制作を目的とする取り組みに1億ドルを投じたのはそのためだ。同社は既に俳優のRainn Wilson氏やスピリチュアリストのDeepak Chopra氏、漫画家のStan Lee氏といった有名人の番組にその資金の一部を提供している。
YouTubeの成長は、ほんの数年前には存在しなかった機会を創出している。Kyncl氏は「YouTubeで人気が急上昇しているスターの1人」であるMichelle Phanさんの話を持ち出した。Phanさんは女性にメイクアップ方法を伝授する動画をYouTube向けに制作した。Kyncl氏によると、約140万人のユーザーがPhanさんの動画の各エピソードを視聴しており、これはStyleチャンネルの番組のエピソードを視聴する平均ユーザー数の2倍に相当するという。Phanさんの番組が絶大な支持を得たため、現在では化粧品業界の大企業であるLancomeがPhanさんのショーのスポンサーになっている。
「これらすべてのチャンネルは立ち上がったばかりだ。今後、ますます進化していくだろう」(Kyncl氏)
Kyncl氏が基調講演を終えた後、YouTubeのクリエーターとパートナーで構成されるパネリストが壇上に登場し、同サイトとその機会について語った。アマチュア動画の制作者はプロフェッショナルが制作したコンテンツの増加によって脇に押しやられることを心配する必要はない、と「CSI」シリーズを制作したAnthony Zuiker氏は述べた。
「われわれは、才能にあふれた国に住んでいる。わたしがこれまでに見てきた最高のコンテンツの中には、YouTubeで発見したものも含まれている。彼らの才能はわれわれの仕事に影響を及ぼすだろう」(Zuiker氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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