ビジネスを生み出す挑戦者たちの交流場--渋谷「StartUp44田寮」 - (page 2)

メンターとして「人柄に惹かれた」と語る入居者

 そんな44田寮発のスタートアップ第1号とも言えるのが、12月に「schoo(スクー)」をリリースしたスクーだ。

 schooは、さまざまな業界の著名人や有識者のオンライン講義を誰もが自由に受講できる、社会人向けの学校教育サービスだ。


株式会社スクー代表取締役社長 森健志郎氏

 「学びはもっと楽しくなるし、そうなるべき。余暇の過ごし方はさまざまだが、それを教育に向けることで、日々の生活も楽しくなる」――スクー代表取締役社長の森健志郎氏は、サービス提供のきっかけをこう語る。

 数あるオフィスの中でなぜ44田寮にワークスペースを構えたのか? 森氏の答えは明快で、赤木氏の人柄に惹かれたと言う。「もちろん安くて設備のいいオフィスに越したことはない。ただ、それ以上に赤木氏はメンター的な立場で、常にサポートしてくれている。『一度成功した起業家』という遠い存在ではなく、『近くで相談できるお兄さん』くらいの距離感。コワーキングスペースは設備などのハード面よりもソフト面。そのスペースにどんな人がいるかが大事」(森氏)。実際B-JELLYでも、単純にプレゼンをやって終了ではなく、いかにサービスを成功させるかに主眼を置き、参加者が徹底的に話し合うという。

 11月に始まったばかりの44田寮。赤木氏は「このスペース自体もスタートアップのようなもの。だからこそ、一緒にビジネスを作り上げていくことで、入居者と共に歩んでいきたい」と語る。

 コワーキングから新しいエコシステムを作ることは、フリーランサーやスタートアップにとっての1つの課題解決の道でもある。自身のアイデアやビジネスを形にしたいと思う人にとっては、ともに切磋琢磨できる仲間やパートナーを探せる“梁山泊“となり得る場所とも言える。

  • 名称:StartUp44田寮
  • 住所:東京都渋谷区渋谷1-11-3 正栄ビル7F
  • 利用形態:寮生(月額4万8000円:ウェブ制作会社、地方企業のセカンドオフィス)、寮生プレハブ(月額1万円:スタートアップ企業、スタートアップを目指す会社員)、ドロップイン(1日利用:1000円)
  • 利用時間:ドロップインは11時~20時
  • オープン:2011年11月
  • 1日利用のドロップインでは、このカプセルトイの販売機にお金を挿入する。中にはお菓子やグッズが入っている。赤木氏の遊び心が表現されている。

  • StartUp44田寮の様子

  • 机はホワイトボードとして利用できる。気づいたメモなどをその場で書きながら会議を進めていくことで、アイデアを形にしていく

  • 利用者にはロッカーも準備されている

  • 「吉田寮のようにツタをはわせたかった」ということで育てられている植物。入り口には緑のカーテンがこれからでてきてくる。スタートアップと一緒に育つように、というメッセージが込められている。

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