コンテンツ制作者の支援プラットフォーム「Grow!」が正式サービスイン

 アーティストやミュージシャンなど、コンテンツを世に送り出す担い手をファンがソーシャルに支援する――新しいクリエーター支援の仕組みづくりを目指し、2011年4月頃から準備段階にあったサービス「Grow!」が1月10日、国内での正式サービスを開始した。

 Grow!はクリエーターがウェブサイトに設置した「Grow!ボタン」のクリックを通じてファンがチップを支払うサービス。クリックの際、あらかじめ購入していたポイントがボタンの設置者に付与される(1Grow!=1ドル換算)。2011年4月からのテストで利用したユーザー数は3500人ほど。ボタンが設置されているサイトの総ページ数は360万ページになったという。

 正式リリースにあわせて、いくつかのサービスや機能が追加される。まず、これまで分かりにくかったポイントの交換方法が明確になった。ボタン設置者はGrow!ボタンを10回押してもらう毎に、Amazonギフト券との交換が可能になる。手数料は約20%となる。

  • 「Grow!」の仕組み

 機能面ではプロフィールページが用意された。Grow!ボタンは当然ウェブサイトを持っていないと設置ができない。だが、Grow! Inc.のCEOである一ツ木崇之氏が調査した結果、実に9割近くのクリエーターがボタンを設置すべきサイトを持っていないことがわかったそうだ。

 そんなクリエーターのためにGrow!自らがウェブページを提供する。これにより、クリエーターのコンテンツ発信やファンによる支援の機会を増やすことを狙う。

 そのほかにも、ボタンを押したユーザーがランキング表示される「Grow!ボックス」や、ボタンを押したユーザーにだけ特別なコンテンツを配信できる機能など、「ファンがボタンを押したくなる仕組みを追加した」(一ツ木氏)という。

 自身もミュージシャンという経歴をもつ一ツ木氏だが、「武道館に立った友人のミュージシャンがアルバイトしないと生計が立てられない。おかしくないですか?」と、創作活動の現状に疑問を投げかける。これまで中間事業者が担ってきたファンとのつながりをウェブメディアが代替できるようになってきた。しかし一方で、ウェブを通じてファンがクリエーターにお金を支払う仕組みがない。Grow!はこの“作り手のジレンマ”の解決に向けて生まれたサービスだという。

 法人は米国のデラウェア州に登記。今夏をめどにメンバー全員で渡米を計画しているという。海外でのサービスリリースは3月頃を予定しており、現在は現地でのマーケティングを進めている。同社では、2012年の目標としてユーザー数200万人獲得を掲げている。

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