周波数オークションを考える(3)有識者編--鬼木氏が語る制度のあり方 - (page 2)

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--ちなみに、海外を参照にした場合の700/900MHz帯の適正価格は。

 900MHz帯なら4000~5000億円。700MHz帯なら数兆円単位になるでしょう。これを従来どおりの比較審査方式で割り当てるというのですから、私も強く主張させていただきました。ただ、あの報告書案の修正文(将来的に900MHzなども対象とする可能性について記載)は不要でした。今回はやらないわけですから、その一文を付け加える必要はない。外交文書ではないのですから、対象外ならば対象外と明記すべきでしょう。

--修正といえば、将来は放送についても対象とする内容が追加されました。

 将来的にはそうなるでしょうね。放送に新しい周波数を配分する予定は当面ありませんが、例えばホワイトスペースでの実証実験が進んでいる「エリアワンセグ」の本免許割り当て時などに取り入れてみたらいいかもしれません。これは第4世代携帯よりも早く交付される可能性が高いので、あくまでオークションの試験運用という形で。規模も小さく済みますし、価格設定もタダ同然でいい。これは懇談会の場で提案しておけばよかった。いずれにせよ、本格的に導入する前に実験的取り組みは必要かと思います。

--報告書が国会に提出された後は制度設計です。求められる制度の有り方とは。

 懇談会では大きな方向性が示されましたが、原則として決めておくべきことを決めることができませんでした。そのひとつが「新規事業者枠」。新規のために枠を取るのは悪いやり方です。それよりも、公正な競争環境を推進できる「イコールフッティング方式」を強く提案します。

--懇談会でも紹介された「イコールフッティング」について。

 既存事業者が3Gなどの目的で割り当てられた周波数を4Gに転換して利用する場合、その転換した分に応じたオークション落札価格相当の金額を収めてもらう方式です。これによって既存の大手事業者はオークションで新規周波数を獲得することだけに資金を回すことができなくなり、逆にもともと確保している周波数の少ない事業者はオークションに集中できる。変に枠を設けておかしな新規事業者に参入されるよりはるかに効率的で、また公正競争の確保にもつながると考えています。

--報告書案に採用されるまでには至りませんでしたが、制度設計において検討すべき課題のひとつですね。

 現状の市場における不公平を是正する仕組みは必要。総務省には、ぜひこの視点を持ってオークション制度設計に取り組んで欲しいと期待しています。

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