では次にスーパースピーカを取り付けてみよう。こちらもホットスワップで装着可能だ。スーパースピーカをつけると、本体背面は上と下にデュアルスピーカを装着した音楽ケータイらしい風貌になる。ここでカバーをはめてしまうのがもったいないくらいだ。
スピーカユニットを取り付けてからディスプレイを見ると「スーパースピーカ装着」の表示がすぐに出る。中国語にしろ英語にしろ、ケータイの画面にこんな表示って滅多に見られるものじゃないだけになかなか面白い。T600が「これからいい音を聞かせますよ!」と語りかけてくれているような気がしないでもない。とにかくこれで、T600は最強の音楽ケータイになったのである。
なおT600のメニューには「Super Sound」という機能がある。この機能をONにすると、2つのスピーカがステレオスピーカとして働き高品質、大音量で音楽を聴かせてくれるのである。この機能は手動でON/OFFできるが、スーパースピーカを装着すると自動でONになるあたりも気が利いている。なおスーパースピーカをはずせば自動でOFFとなり、その状態でONにしてもメインスピーカから流れる音は何も変わらない。
さっそく音楽を流してみると、メインスピーカだけでは安っぽいトンデモサウンドを流すだけだったものの、スーパースピーカを併用するとその音質は全く別のものになる。おそらくスーパースピーカの名前に恥じないだけの品質のスピーカになっているのだろう。背面から流れてくるステレオサウンドは、高音は空に突き抜け、低音は心に響くナイスなものに豹変するのだ。
もっとも実際はそこまですごくはないんだけど、トンデモケータイのチープな音に慣れているとこのT600のスーパースピーカは別世界のものといっても過言ではない。ネタでスピーカが付属しているだけと思いきや、実はかなりのいい音を鳴らしてくれるとは久しぶりに期待を裏切ってくれるいい製品であった。
その他の機能としては特に目新しいものはない。だがバッテリを2つ装着できるなど「電力」にこだわった製品だけに、実は1つだけ特徴的な機能があるのだ。それは省エネ機能。「Super Power」メニューからディスプレイや音量の調整、そして自動的に消費電力を抑える省エネモードに切り替えることができるのだ。
またバッテリはメイン、サブの容量を数値で表示可能。トンデモケータイはそもそもバッテリなんてテキトーな容量のものが使われているケースが多いが、T600ならばきちんとあと何パーセント残っているかを常に確認できるので安心である。もっともこの数字もどこまで信用できるかはしばらく使ってみないとなんともいえないところではあるけどね。
そして本体の数字キー部分にも、実はその省エネキーが備わっているのだ。このキーを押せばワンタッチで省エネモードに入ることができる。ケータイをとにかく長時間使いたい人にはありがたい機能であり、他のメーカーもどんどん真似して採用してもらいたいものである。
バッテリとスピーカが交換可能な、色物的な「合体型」ケータイと思いきや、省エネモードも備えるなどケータイを長時間使えるように、という心遣いが詰まったT600。見た目に派手さはないものの、実用性はかなり高そうだ。このコンセプトを取り入れたスマートフォンなんてのが出てきたらそれこそさらに便利でベストセラーになるかもしれない。今回のトンデモケータイは意外と悪くない一品だぞ。
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