Google.orgは、年末の支援策として46の非営利団体に総額4000万ドルの助成金を提供した。支援対象の中には、奴隷労働の根絶を目指して戦っている団体も含まれる。
助成金を受けた団体の多くは技術業界が目を向けそうなところで、科学、技術、工学、数学を学ぶ学生を支援する団体、発展途上国の女子学生教育を支援する団体、および革新的な技術を用いてさまざまな方法で人々を支援する団体などだ。
だが今回、Googleは支援対象として新たな分野を加えた。アフリカの炭鉱における強制労働者や米国における性目的の人身売買といった現代的奴隷労働だ。こうした状況は国際貿易によって生み出されたものだが、多くの人は現在進行中のこととして認識していない。
Google.orgの広報担当者を務めるKate Hurowitz氏は、今回の助成金に関する取材の中で次のように述べた。「われわれの重点分野は毎年変わる。われわれが求めるのは、確実な実効性や成長の可能性だ。2011年は教育、技術を通じた支援の実現、そして奴隷労働に重点を置いた。奴隷労働は、目に見えないところで行われていながら対策資金が不足している問題で、われわれが状況を改善できると考えている分野だ」
多くの人々が、19世紀の奴隷制廃止によって奴隷労働はなくなったと考えているが、現状はほど遠い。Slavery FootprintのJustin Dillon氏がインタビューで語ったところによると、「暴力で脅されて無報酬で働くことを強制されている人や、経済的に搾取されながら逃げることもできない人」は推定2700万人にのぼるという。
Slavery Footprintのほか、(International Justice MissionとPolaris Project)という2つの団体が180万ドルの助成金を受け、公教育、企業の社会的責任、および人権に関する国際的な法規制の制定と執行を通じて奴隷労働を撲滅するための支援で協力する。International Justice Missionは2005年以来、労働や性目的の人身売買を強要されていた9000人を超える人々に支援を提供してきた。Polaris Projectは、法規制の強化を強く求めるとともにホットラインを設けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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