ITC、アップルに有利な決定--HTCによる1件の特許侵害を認定

Declan McCullagh (CNET News) 翻訳校正: 編集部2011年12月20日 10時40分

 米国際貿易委員会(ITC)は米国時間12月19日、HTCがAppleの特許1件のみを侵害しているとの決定を下した。大きな注目を集めていた今回の決定は、Appleにとって限定的な勝利となった。

 台湾に拠点を置くHTCは同社の一部製品について輸入禁止措置に直面することになった。2012年4月19日から適用されるため、Googleをはじめとする同社の提携先には12月19日の3ページにわたる文書にしたがって、特許を侵害しない技術的な回避策を模索する時間が残されている。

 Appleにとって、今回の決定は決して完全な勝利ではない。同社は2010年3月、HTCが同社の特許10件を侵害しているとして訴訟を提起したからだ。ITCの行政法判事は2011年6月の仮決定で、2件の特許の侵害のみを認定した。12月19日の決定により、争点となっていた当初の特許10件のうち、HTCによる侵害が認められたのは1件だけになった。

 HTCの法務顧問Grace Lei氏は米CNETへの声明で、「ITCが特許'721と特許'983に対する以前の決定を支持してくれたこと、そして、特許'263、および、特許'647の一部に関する判断を覆してくれたことに満足している。われわれは決定を喜んでおり、これに従う意向でいる。特許'647はUI体験のほんの一部を成すものであり、HTCはすべての電話機からこれを取り除くつもりだ」と述べている。

 HTCが選択できるオプションはもう1つある。それは、争点となっている特許を侵害しない技術的な回避策を開発することだ。その特許は、文書を自動的にフォーマットする「データタッピング」技術に関するもので、それを利用すれば、電話番号が表示されたときにダイヤラープログラムをポップアップ表示させたりできる。

 争点になっている米国特許番号5946647は1999年に取得したもので、「電話番号や郵便番号、電子メールアドレス、名前」など、「認識可能な構造を持つ」識別データを対象としている。また同特許によると、「パーシングプロセス」によって、「適切なアクション」を実行することが可能になるという。

 とはいえ、今回の決定はHTCにとって痛手である。同社は市場シェアを急速に拡大し、Android搭載スマートフォンのラインアップでブランドを確立してきた。それらのスマートフォンの多くは、同社独自の「Sense」ユーザーインターフェースを採用している。HTCは、Appleが標的にした最初のAndroidサポート企業で、そのことは「iOS」と「iPhone」に対するGoogleソフトウェアの脅威が大きくなっていることの証左とも見られていた。

 Appleにコメントを求めたが、すぐの回答は得られなかった。最初の訴状が提出されたとき、当時Appleの最高経営責任者(CEO)だったSteve Jobs氏(2011年秋に死去)は声明で、「競争は健全なことだとわれわれは考えている。しかし、競合他社はオリジナルのテクノロジを自ら開発すべきであって、われわれのテクノロジを盗むべきではない」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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