シャープは12月8日、北米市場における60V型以上の大型液晶テレビの取り組みについて説明会を開催した。70V型モデルを投入した4月以降、大型液晶テレビのシェアで台数、金額ともに1位を獲得しているという。
シャープでは6月に、60V型以上の大型モデルに活路を見出す新戦略を発表。リアプロジェクションテレビや初期の液晶、プラズマテレビからの買い替え需要を狙い、北米市場で60V型以上のテレビ販売を前年比5倍に増やす方針を示していた。
7月には70V型モデル、9月には80V型モデルを北米市場に投入し、現在60V型以上のラインアップは18モデルになるという。これは2010年度の4モデルに比べ4.5倍にあたるボリュームだ。
シャープによると北米市場における60V型以上の大型液晶テレビで、同社の台数シェアは77.8%、金額ベースでは70.5%(ともに11月末時点の推測値)と、ともにトップシェアを獲得しているという。
シャープ・エレクトロニクス・コーポレーション会長兼社長の高橋興三氏は「液晶テレビは成熟市場だが、60V型以上の大型サイズは、全く新しいカテゴリのような活発な動きを見せている。そういう意味では液晶テレビでありながら新カテゴリを作ったことがわかっていただけると思う」と順調に推移する北米の大型テレビ市場を表現した。
同社が展開する大型液晶テレビは、60V型が10機種、70V型が5機種、80V型が1機種。加えてパイオニアが持つ高級AV製品向けブランド「ELITE(エリート)」の2機種を展開する。
「ELITEは設計、生産をシャープが手がけているがシャープ名は一切出ていないという液晶テレビ。北米でも特定ディーラーのみが取り扱っているハイエンドブランドだ。大量に販売されるモデルではないが『ELITEも販売している』という事実はシャープのブランドイメージを大きく引っ張っており、貢献している」(高橋氏)という。
60~80V型の大型液晶テレビをハイエンドモデルまでそろえるシャープのラインアップが功を奏し、取扱店も拡大方向にあるという。2010年末に3300店舗だった取扱店は2011年10月に9400店舗まで拡大。2012年4月には1万2000店舗にまで増やす。
「北米でのプロモーションとしてテレビコマーシャルも放映しているが、最も効果があるのは販売店のチラシ。これは販売店側が独自に決定しているものだが、40V型以上のテレビに関するチラシのメーカー別占有率は2011年1~3月の8.5%から、10~12月は18.7%まで上がってきている」(高橋氏)とのことだ。
今後は新たなプロモーションツールとして現地のサポート体制「AQUOS ADVANTAGE LIVE」を活用する方向も考えているとのこと。いわゆるお客様サポートサービスの一貫だが、音声通話システムによって誘導されるサポートと異なり、電話をかけると必ず担当者につながり、使い方の説明や製品などの相談に乗ってくれる体制を敷く。「量販店さまから、すごい販促になるので、プロモーションにしてくれと言われている」(高橋氏)と、製品だけでなくサポート体制まで含めて評価されているとのことだ。
シャープでは、北米における60V型以上の販売目標台数を100万台以上に据えている。「現在の販売状況を見ていると若干上振れてきそうな状況になっている」(高橋氏)と最新状況を説明した。
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