シャープは11月15日「フリースタイルAQUOS」の新製品F3シリーズとF5シリーズレッドモデルの発表を受け、新製品説明会を開催した。液晶テレビの市場背景や同社の商品戦略、年末に向けての営業施策などについて話した。
シャープAVシステム事業本部液晶デジタルシステム第1事業部事業部長の戸祭正信氏は「7月24日の地上デジタル放送移行を機にテレビ市場は一変した」と2011年テレビ市場を話した。「家電エコポイント制度と地デジテレビへの買い替え需要に支えられ好調に推移していたが、地上デジタル放送移行後はその反動を受けた。下期の販売台数は560万台と予測、2011年合計では1650万台程度となり、2009年を上回る程度と予測している」と説明した。
シャープがアナログ停波後の商品戦略として据えているのは「リビング革命」「AVと通信の融合」「設置革命」の3つ。この内の設置革命として発売されたのが「フリースタイルAQUOS」だ。
フリースタイルAQUOSは、壁掛け金具を同梱した「F5」シリーズと、ディスプレイ部にバッテリを内蔵した「FE1」シリーズが発売されている。チューナとディスプレイをワイヤレス接続することで、アンテナ線を気にせず設置できることが特長だ。奥行き3.3cm、重量は約8.5kg(40V型)という薄型軽量のディスプレイデザインをいかし、壁掛け設置を積極的にアピールする。
「今までの薄型テレビでは1.1%だった壁掛け設置比率が、フリースタイルAQUOSの登場によって19.6%へと急上昇した。また『このテレビならば壁掛け設置をしてみたいか』という問いには43.1%の人が『YES』と回答しており、潜在需要は高い」(戸祭氏)と、ユーザー調査から分析する。
新たに追加されたF3シリーズは、チューナとディスプレイ部のワイヤレス接続や薄型軽量デザインはそのままに、スタンドのデザインを変更し、壁掛け金具を別売にすることで、エントリー層へ訴求する入門機的位置づけ。レッドカラーを追加し、3色展開となるF5シリーズ「LC-40F5-R/32F5-R/20F5-R」と合わせ、ラインアップを拡充する。
「入門機的位置づけのF3、メインストリームのF5、バッテリ内蔵のFE1と年末に向けフリースタイルAQUOSは全18モデルをラインアップする。2011年下期には、構成比の10%をフリースタイルAQUOSにしたいと目標を掲げていたが、現在計画通りの進捗」(戸祭氏)と、現状を話した。
続いてシャープAVシステム事業本部液晶DS営業部部長の居石勘資氏から年末の取り組みが紹介された。
超大型店向けに5m40cm×2m40cmの大型展示台を導入し、「伝わる」店頭展示へリニューアルを図るという。フリースタイルAQUOSはディスプレイを若干重ねるなど、奥行きのある展示にすることで設置場所を選ばないという商品特長をアピールしていくとのこと。また俳優の本木雅弘さんを起用した新CMをオンエアする。
店頭では、追加オプションとしてスイーベル壁掛け金具「PDR-AR2020WH」と壁寄せスタンド「PDR-SWK2020BK」も用意する。「両機種ともにエレコムとのコラボ商品。賃貸にお住まいの方やビス止めがNGといったユーザーへアピールしていきたい」(居石氏)とのこと。いずれも近日の発売を予定している。
「2011年上期までは地上アナログ停波を受け『地デジにしなければならない人』がターゲットだった。7月以降はそうした需要がなくなり『初期に地デジテレビを買い換えた人』がターゲットになってくる。テレビは買い替えサイクルが長い商品だが、フリースタイルAQUOSのように軽く、薄く、明るく、扱いやすいといった魅力的なテレビを発売することで、買い替え、買い増しにつなげていきたい」(戸祭氏)と、今後の意欲を語った。
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