通信大手AT&Tは、390億ドルでのT-Mobile買収提案が何とか頓挫しないように、決死の最終手段を準備しているようだ。
Bloombergによると、AT&Tは米司法省に対し、T-Mobileの資産の最大40%を売却することを提案する準備を整えているという。AT&Tがこの計画において、T-Mobileの何を売却対象として検討しているのかについてはまったく明らかになっていない。
米司法省は、AT&T(米国第2位のワイヤレス事業者)によるT-Mobile(同第4位)の買収はモバイル市場における「競争を著しく低下させる」として、およそ3カ月前にこの買収を阻止するための訴訟を起こした。AT&Tの事業売却計画は、T-Mobileの事業のうちの、米国のワイヤレス業界における競争を維持するうえで十分な規模の資産を売却することにより、司法省の懸念を払しょくすることを狙っている。少なくとも理論上は、である。
買収に対する反対の声が急速に高まっていることを考えると、この事業売却計画からは、AT&Tの必死の様相がうかがえる。米連邦通信委員会(FCC)会長のJules Genachowski氏は先週、買収に反対の意向を示し、他のFCCコミッショナーらにこの買収提案に関する行政審判を請求することを求めた。これが実現すれば、AT&Tが買収を完全に断念しない限り、買収は先送りされてAT&Tの経済的負担が高まることになる。
これを受け、AT&Tは米国時間11月23日夜、規制当局の承認が得られなかった場合にT-Mobileに支払うことになっていた違約金40億ドルのための費用を第4四半期に計上する予定であることを明らかにした。また同時にFCCに提出していた承認申請を取り下げている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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