自然に交流できる実験の場--下北沢オープンソースCafe - (page 2)

利用者それぞれの実験の場に

 下北沢オープンソースCafeは20席程度の比較的小さなスペースだ。「おそらくコワーキングのための最小限のスペース。これ以上小さいとコワーキングとして成り立たない」(河村氏)。だが、自身が手がける開発同様、オープンソースマインドをベースに運用し、できるだけ多くの人にオープンな場所としてシェアしていきたいと語る。「このスペースを利用する人それぞれの“実験の場”のような位置づけでいられたらと考えている。ここで経験したことをもとに、新しいコワーキングスペースが自発的に生まれればいい」(河村氏)

 河村氏のこのような思いから、曜日によっては利用者の持ち寄り企画でイベントを開催したり、将来コワーキングスペースを運営したいという人による1日店長企画を開催したりしている。勉強会も、初心者向けのアプリケーション開発やプラグイン開発、デザイナー向けなど、様々なテーマで開催している。こうすることで、1つのテーマや業種に縛られないスペースになり、新しい刺激を生み出し続ける。

 コワーキングスペースといえば、オーナー自身の特色によって作り上げていくことが多い。しかし、ここでは利用者の意見を取り込むことによって、スペースを中心にゆるく大きなコミュニティを作り出している。コミュニティがあるからこそ利用者同士が話をし、アイデアを共有し、問題を自分たちで解決できるのだ。単なる「場所」以上のコワーキングスペースだからこそ、利用するほどに価値が生まれるのかもしれない。

  • 名称:下北沢オープンソースCafe
  • 住所:東京都世田谷区代田6-11-14
  • 利用形態:1日1000円(1ドリンク付)、2杯目以降500円(「DONE割」300円)
  • 利用時間:10時~20時
  • オープン:2011年3月
  • 入り口に置かれた下北沢オープンソースCafeの看板。イベントの際は毎回内容が変わる。

  • このコワーキングスペースは車庫を改装して作られた。写真左手が作業スペース、右手が交流スペースとなっている。

  • 交流スペースの様子。そう広くはない空間だが、毎日様々な人たちが訪れている。

  • 別の角度から交流スペースをのぞいたところ

  • 紙に書いたタスクを壁に貼り、次の注文時にタスクが終了したらスタンプが押されて割引される「DONE割」。どういった分野の作業をしているのかがわかる程度に書くのが、会話のきっかけになるコツだという

  • 作業スペースの様子。左にある本棚には、利用者の著書などが並んでおり、自由に閲覧できる

◇注目集める「コワーキング」
利用者を触媒に情報やアイデアを共有する経堂「PAX Coworking」
ソーシャル時代の新しい働き方「コワーキング」--日本最大級スペース「SSI」も公開

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