Googleがウェブプログラミング言語「Dart」でウェブを改良したいと考える中、Microsoftが自らをDartの重要な協力者となりうる存在ではなく、むしろ異議を申し立てる立場にあるとの姿勢を明らかにした。
ウェブサイトにある程度高度な機能を付与するプログラミング言語としてはJavaScriptが用いられているが、GoogleはDartでJavaScriptの不備を補いたいと考えている。しかし、Microsoftは米国時間11月22日付のブログ投稿で、JavaScriptの改善こそ進むべき道だと主張した。
MicrosoftのJavaScriptチームに属する5人のメンバーは、Dartの売り込み文句は「JavaScriptには根本的な欠陥があり、(大規模化という)シナリオを推し進めるにはJavaScriptから『決別』する必要がある」と主張しているとした上で、「われわれはこのような考え方には賛成できない」と記した。
Googleが初期段階の開発プロセスを閉鎖的なものとし、協力者となりうる人たちの一部を遠ざけてしまったため、Dartは多難なスタートを切った。しかもこのプロジェクトで鍵となるのは協力者だ。Dartがその可能性をフルに発揮するには、ブラウザ開発企業にこの機能をサポートしてもらう必要がある。だが、今回のMicrosoftの態度を見る限り、「Internet Explorer」にDartのサポート機能を組み込むのは非常に難しそうだ。さらに、Microsoftは今でもプログラマーに対する影響力を持っており、今回の投稿は公の場で明確に不信任票を投じた形となっている。
JavaScriptは現用のテクノロジならではのメリットを備えている。プログラマーはJavaScriptに精通しており、最近のブラウザではJavaScriptの実行速度も非常に速くなった。また、「jQuery」のような作成済みソフトウェアのライブラリが数多く提供されているため、ウェブ開発者は強力な機能を手軽に利用できる。こうした要因が着実な改善という好循環を生み出しているため、より抜本的な変更を促すアプローチが足がかりを得ることは難しい。
加えて、JavaScript自体にもさらに多くの改善が予定されている。MicrosoftやMozillaだけでなく、当のGoogleさえも、Dartの普及活動にいそしむ一方で、JavaScriptテクノロジの改良を続けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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