「iPhone」を製造するAppleは、中国の環境保護団体の間ではそれほど評価が高いとは言えない。そんな同社がこのほど、こうした団体との和解に前向きな姿勢を見せたことがわかった。
これは、The Wall Street Journal(WSJ)が中国で活動する複数の環境保護団体の代表者の発言として米国時間11月15日に報じたもので、Appleは、同社のサプライチェーンが環境に与えている影響に関する「環境保護団体の懸念に対応」する姿勢を見せ始めたという。報道によれば、Appleは、部品供給業者のうち、環境汚染が指摘されている15社を対象に監査を実施すること、および部品供給業者の工場周辺の環境が確実に保護されるように監督を強化することに同意したようだ。
中国の代表的な環境活動家の1人である馬軍氏はWSJの15日付記事の中で「これは大きな前進だ。彼ら(環境保護団体)は当該企業に対して具体的な計画の立案とスケジュールの提出を求めており、Appleはこれらすべての問題が解決されたかどうかを検証することになる」と語っている。
環境をめぐる問題は長年にわたってAppleの悩みの種となっている。だが、2011年8月、Appleの部品供給業者が工場周辺の汚染を隠そうとしていたとする46ページの報告書が中国の環境団体により発表されたことで、この問題は同国において1つの転換点を迎えた。
中国の公衆環境研究センター(IPE)は当時この報告書の中で、「Appleのサプライチェーンからの排出物は大量で、市民の健康と安全を大きく脅かしている」とした上で、Appleが中国における「抜け道を利用」して「多大な利益を奪い取ろうとしている」と主張していた。
一方、Appleはこうした主張を全面的に否定し、部品供給業者については高い社会的責任の基準を満たすことを期待していると述べていた。
「われわれは、Apple製品が作られているすべての場所で、部品供給業者が安全な作業環境を提供し、尊厳と敬意を持って従業員を処遇し、環境に配慮した製造工程を採用することを求めている」と同社は当時、Reutersの取材に対して語っていた。
この件についてAppleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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