Appleが、中国にある部品組立工場の危険で健康に害を及ぼす状態を無視したとして、同国の36の環境保護団体が結成した連合から非難を受けている。
公衆環境研究センター(IPE)が米国時間1月19日に発表した報告書「The Other Side of Apple(Appleの別の一面)」は、中国での健康問題や環境問題への対応について、Appleを技術企業29社の中で最下位に位置づけている。
具体的に言うと、IPEの報告書はAppleがWintekでの問題を無視したと主張している。Wintekは、iPhoneや「iPad」用のタッチスクリーンのほか、他社向けの部品を工場で製造している。同社は、工場で働く従業員がノルマルヘキサン中毒になったことで、2009年に非難を浴びた。多くの従業員がストを決行し、その後Wintekを訴えた。同社は結局、工場でのこの有害物質の使用を中止した。
AppleInsiderの2009年の報道によると、Wintekの従業員は当時、Appleにも直訴したという。だが、AppleがWintekを供給業者と認めたかどうかも不明だ。
IPEの理事であるMa Jun氏は、Bloombergによる電話インタビューで、Appleは、Wintekが自社の供給業者であることの確認を拒み、自社製品に関連する環境問題の責任を取るのを避けた、と語っている。
Appleは、鴻海精密工業(Foxconn)の工場で2010年に自殺が相次いだ事件への対応についても、IPEの報告書で非難されている。Appleは当時、事件についてFoxconnの経営陣と連絡を取ったと述べた。しかしIPEの報告書は、最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏の電子メールを引用し、Appleの対応がいささか傲慢だったという印象を与えている。メールには、「どの自殺も悲劇だが、Foxconnの自殺率は中国の平均をはるかに下回っている。われわれはこの問題に取り組んでいる」と書かれていたという。
もっと問題のある供給業者の一部について情報を求めてもAppleから回答はなかったとされている、とIPEは付け加えた。この問題も、同社がリストの最下位に位置づけられた原因となっている。
「Appleは企業市民としてリーダーシップを発揮するだろうと当初は考えていたが、結局はいちばんの妨げになったと今では感じている」と、Jun氏はBloombergに語った。
今回の報告書の件で、AppleとIPEの両方からコメントを求めているところなので、回答があれば記事を更新する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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