議論を呼んでいる米オンライン著作権法案のための第1回下院公聴会は、普通とは違った形で始まった。この法案は行き過ぎだという批判に対して、政治家たちは自分の立場を守ろうとしたのである。
Mel Watt下院議員(ノースカロライナ州選出、民主党)は、米国時間11月16日午前に行われた米下院司法委員会での公聴会において、「この法案が成立すれば政府による検閲が際限なく行われるようになるという、大げさな批判を聞くのは、大変悩ましいことだ」と述べた。
「Stop Online Piracy Act」(SOPA)と呼ばれるこの法案の起草者であるWatt下院議員は、SOPAによって米国が「抑圧的な政府」になるという主張は、「独裁政府の真の犠牲者たちが実際に生きている状況を軽視するものだ」と述べている。
SOPAは、10月に下院に提案されると、ハリウッドやほかの大手コンテンツホルダーのロビイストから歓迎された。同法案は、著作権を侵害しているとされているウェブサイト(「悪徳」ウェブサイトと呼ばれることもある)を、事実上インターネットから消し去ることを目的としている。(米CNETは、著作権侵害と失業問題に関する米国映画協会の見解についての記事を掲載している)
「この法案が情報の自由を脅かすという意見は支持できない」。同じくSOPAの起草者で、同委員会の民主党主席議員のJohn Conyers下院議員(ミシガン州選出)はこのように述べる。
こうした不満の声は、SOPAに反対する勢力の土壇場でのキャンペーンが奏功している可能性を示すものだ。GoogleやFacebook、Zynga、Twitterなど、この施策に反対するインターネット企業は、The New York Timesに全面広告を出している。Mozilla Foundationは、深夜にそのホームページを黒に変えて抗議の姿勢を示した。11月15日には、ほかにも数え切れないほどのグループが同法案への反対意見を表明している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」