シャープとI3(アイキューブド)研究所は、フルHDの4倍の解像度を持つ次世代テレビ「ICC 4K 液晶テレビ」の試作機を発表した。実用化に向け共同開発をしていくという。
シャープの執行役員AVシステム開発本部長の寺川雅嗣氏は「テレビ市場は7月のアナログ停波を受け、一段落した感がある。そんな中、新たなテレビとして3Dテレビやスマートテレビに取り組んでいるが、今回発表するのはテレビの本質を追求したもの。本来テレビに求められているのは実物感と臨場感。この2つはパネルを高精細化、大型化することで実現できる。高精細と大画面を兼ね備えた4Kパネルに、パネルの性能を最大限引き出す信号処理を加えることで、新たな映像空間を提供するテレビを商品化していく」と話した。
試作機として展示されたのは60インチの4Kテレビ。解像度は3840×2160ピクセルで、フルHD解像度の映像を4K解像度へアップコンバートする信号処理技術が内蔵されている。アップコンバートする際、I3研究所が開発した光のクリエーション技術「ICC(Integrated Congnitive Creation:統合脳内クリエーション)」を使用していることが特長で、従来の超解像技術にはない、奥行き感、質感などの映像空間を表現できるとしている。
I3研究所では、5月にハイビジョン映像(1920×1080ピクセル)信号から4K(3840×2160ピクセル)映像を作り出す「ICC LSI」の開発を発表しており、実用化の時期については明らかにしていなかった。
両社は、ICC 4K 液晶テレビの共同開発を進め「2012年度半ばには商品として出したい」(寺川氏)とのこと。試作機は10月4~8日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2011」でも参考出品されるという。
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