「Photoshop Express Editor」は、Photoshopの発売元として知られるアドビ純正の画像編集サービスだ。本家のPhotoshopの機能のうち、日常のスナップ編集作業に便利な機能をピックアップし、ブラウザ上で利用可能なツールとして無料で提供されている。ソフトのインストールなどは不要だ。
基本的な流れとしては、「画像をアップロード」「編集」「完成した画像をダウンロード」となる。アップロードできるのはJPEGのみで、1ファイルあたりのサイズ上限は16Mバイト。1人あたり2Gバイトの領域が用意されており、ID登録をすることで編集中の画像をオンラインに保存できる。またFlickrやPicasa、さらにはFacebookなどに画像を保存することも可能だ。
利用できる機能は以下の通り。
同種サービスである「NAVERフォトエディター」と比べると、覆い焼きや焼き込みなど、本家ならではの調整機能の豊富さが売りだ。もっとも、ヒストグラムやガンマ曲線を表示してスライダで調整したり、パラメータを直接入力することはできず、提示されるいくつかの候補の中から選んでいく方式を採用しているのは、同社の有料ソフト「Photoshop Elements」との差別化をはかるためだろうか。
気になるのは、範囲選択という概念がないため、例えば画像の一部分だけにモザイク処理をかけたり、バケツツールで部分的に塗りつぶしたりといった加工ができないこと。このあたりは本来のPhotoshopのコンセプトに沿って、オリジナルの写真をいかに美しく見せるかという機能に特化している印象だ。Photoshop Elementsに誘導するための方策とも考えられるが、さきのNAVERフォトエディターでは実現できている機能だけに、知らずに使うと戸惑うこともありそうだ。
一方、NAVERフォトエディターにはない機能として、装飾用のメニューも用意されている。テキストや吹き出しの挿入のほか、付箋を貼るといった処理も可能なので、表情豊かなイメージを作成できる。ブログやSNS、写真共有サイトに載せる画像を事前に加工する用途にはぴったりだといえる。
履歴も使えて初期化も可能、作業中に元画像を一時的に参照できる機能も備えるほか、ズーム操作もシームレスに行えたりと、使い勝手自体はすぐれている。ソフトがインストールされていない環境で、誰かに見せる写真を見栄えよく補正するための方法の1つとして活用したい。
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