Adobe Systemsは米国時間11月9日、モバイル版「Flash Player」の開発を中止すると発表したが、それはテレビなどの消費者向けデバイスにも当てはまる。
Adobeが9日にGigaOmへの声明で認めたところによると、同社は今後、家電デバイスに搭載されたウェブブラウザにFlashプラグインを移植する作業には注力せず、開発者にそれらのデバイス向けのネイティブアプリを構築するよう促していくという。
Adobeは、「家庭用デジタルデバイスでのウェブブラウジング用にFlash Playerをサポートする計画があり、それを実現するために『Flash Player Porting Kit』を使用している既存のライセンシーについては、Adobeが今後もサポートを続けていくつもりだ。しかし、われわれはテレビでのコンテンツ提供について、ウェブブラウジング体験ではなくアプリケーションを通して行うことが正しいアプローチだと考えている。そして今後もデバイスおよびコンテンツパブリッシングコミュニティーに対して、その路線を進むよう促していくつもりだ」と述べた。
Flashをモバイルや非PCデバイスに搭載するAdobeの取り組みは、「Open Screen Project」と呼ばれるプログラムの一環だった。Open Screen Projectは同社が2008年に立ち上げた業界団体で、有名なデバイスメーカーやコンテンツ開発者、電気通信事業者が多数参加していた。
Open Screen Projectには、NokiaやSony Ericsson、Qualcomm、サムスン、Motorola Mobility、NTTドコモ、東芝、Verizon Wireless、Intelなどが参加した。しかし、MicrosoftやSun Microsystemsなど、参加しなかった有名企業もあった。
Adobeの目標は、さまざまなデバイスの共通ランタイムソフトウェアとしてFlashを確立し、市場シェアを急速に拡大させることだった。
しかし、これまでにFlashを採用したのは、「Google TV」が搭載されたソニーとLogitechのデバイスだけである。2010年、すべての大手放送ネットワークがGoogle TVによるオンラインコンテンツへのアクセスをブロックし始めたため、同プラットフォームは大きな成功を収めるには至っていない。
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アドビ、モバイル版「Flash Player」の開発を中止
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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