今は誰もが開発者と連携しなければならない。
HTCに聞いてみるといい。同社は「Android」や「Windows Phone」を搭載のスマートフォンを製造するだけに満足せず、6月に開発者支援プログラム「HTC Dev」を立ち上げた。その目的は、開発者にHTC製品のクールな機能の一部へのアクセスを提供するとともに、同社の支持者を増やすことだ。
HTCのデベロッパーエバンジェリストであるLeigh Momii氏は、「Android、そしてモバイル全体は競争が非常に激しいため、マインドシェアの拡大が重要である。開発者からすれば、HTC Devによって自分に注目を集める手段を得られる」と述べた。
HTC Devの前にも、同社の長いスマートフォンの歴史を追ってきた開発者はいたが、HTCは開発者の支援はほとんどしてこなかった。
しかし、多くの企業がAndroid OSを利用して競争力のある製品を作り出しているため、HTCは一部のAndroid開発者を同社の信念のもとに結集することはマイナスにならないと感じた。
HTCは8月、同社のソフトウェア開発キット(SDK)「Open Sense」をリリースした。基本的には標準のAndroid SDKのアドオンのようなものだ。このHTCのSDKを使うことで、開発者は同社タブレット用の「Scribe」ペンや、「HTC EVO 3D」の立体的な3D機能を利用できるようになる。
Momii氏によると、HTCは新しいバージョンをリリースしていく予定で、それによってHTCのほかのユニークな機能の一部を活用できるようになるという。
HTCのSDKは同社製品専用ではない。つまり、このSDKを使っても、ほかのAndroidスマートフォンでアプリが正常に動作しないということはない。同SDKを使用するアプリはHTCスマートフォンの「追加機能にアクセス」できるようになるが、ほかのスマートフォン上でも正常に動作する、とMomii氏は述べた。
技術的なサポートに加え、HTCはパーソナライズされたアプローチで開発者との関係構築に臨んでいる。Momii氏はSprintの開発者カンファレンスに参加していた。筆者はそこでMomii氏と出会ったが、同氏は地元の小規模な集まりにも出席していると述べた。さらに、同社は開発者とインタラクティブなコミュニケーションをとれるフォーラムなどにも注目している。
HTCはタブレットやスマートフォンをテスト目的で開発者に貸し出す手順も簡素化した。
「これまでのところ、反応は良好だ」(Momii氏)
HTCはデベロッパー数社を選んで、カンファレンスで注目を浴びる機会も提供している。Sprintのカンファレンス会場で、HTCのブースの隣には新興企業Orbotixのブースがあった。Orbotixは、Androidと「iOS」で利用できる専用アプリで操作可能な、光るボール型ロボットを販売する予定だ。
HTCのちょっとした追加のサポートにより、Orbotixは同アプリに機能を追加することができた。それは、ユーザーがScribeペンを使って「Flyer」タブレットに軌道を描くことによって、ボールの動きを制御できる機能だ。「描いて動かす」デモが行われている間、この「sphero」ボールの周りには多くの人が集まった。
Orbotixのウェブ開発者兼デベロッパーアドボケイトのRoss Ingram氏は、「すべての(OEM企業の)中で、われわれを支援してくれたのはHTCが初めてだった。本当に気分がいい」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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