ソニーと同社が携帯電話で抱く野望にとって、それはあまりにも小さく、そして遅すぎたものなのかもしれない。
ソニーは、ネットワーク機器プロバイダーEricssonとの10年にわたる関係を終わらせようとしている。ソニーは、モバイルデバイスの合弁事業であるSony Ericssonの株式のうち、Ericssonの保有分を14億7000万ドルで買い上げる。
ソニーが望んでいるのは、単独で素早く動けるようになり、同社のほかの製品やメディアコンテンツとの統合を強化して、以前の堅調な事業をよみがえらせることだ。
多くのアナリストは、ソニーによる事業の支配権の引き継ぎを好意的に見ているものの、ソニーが携帯電話事業を実際に立て直せるかどうかについては懐疑的だ。この数年間、Sony Ericssonはかなりの市場シェアを競合他社に奪われている。スマートフォンの流行に乗り遅れ、現在でさえ、「Android」電話機のプレーヤーとして2番手集団の立場だ。そして、米国など主要な市場でのキャリアとの関係は、依然として弱いままだ。
Endpoint TechnologiesのアナリストであるRoger Kay氏は、「今ソニーに、盛り返すための原動力があるのか、あるいはそういう立ち位置にあるのか、わたしにははっきり分からない」と述べる。
Sony Ericssonのモバイル分野における急激な落ち込みは、合弁事業がよく陥りがちな落とし穴の最近の一例にすぎない。この合弁事業は苦労の末に終わりを迎える。その原因は往々にして、利害の不一致と、しばしば中途半端な出資企業の介入だ。
かつて携帯電話ベンダーの出荷台数で世界上位5社のうちの1社だったSony Ericssonは、そのランキングにほとんど顔を出さなくなっている。スマートフォン事業では、同社のシェアは競合各社から大きな後れを取っている。Gartnerによれば、第2四半期の世界スマートフォン市場におけるSony Ericssonのシェアは3.6%だったという。
それに比べ、Appleのシェアは18.2%で、Androidにおける1番手のプレーヤーであるサムスンは市場の15.8%を占めている。Androidを早期に採用したHTCのシェアは10.2%だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?