わたしが気に入っているタブレット端末の利用法の1つは、ビデオ会議だ。重要な議論やクライアントとのやりとりをビデオ会議で行うこともあるが、主な用途は出張中に2歳の子どもや妻と話をすることだ。これは「企業利用」の境界線を広げすぎているかも知れないが、わたしは「企業向け」ソリューションよりも、タブレット端末のSkypeのようなツールの方が、より効果的で使いやすく、かつ明らかに安価であることに気づいた。わたしは、かなり使いにくいコンピュータベースのコミュニケーションツールを採用した顧客と仕事をしたことがある。このツールの利用者あたりのコストは、サポートインフラが必要だと判断した場合、タブレット端末1台の価格に近かった。タブレットベースのビデオ共有は、遠隔にいる従業員と簡単にビデオ会議をするには、スマートではないがより素早い方法かも知れない。
ネットブック、そして現在のタブレット端末は、「3つめの画面」と言われている。これは、ユーザーにこれらのデバイスをデスクトップ、ラップトップに次ぐ、潜在的な3つめのコンピュータデバイスとして受け入れて欲しいという、メーカーのマーケティング上の言い回しだ。これはマーケティングのためだけの馬鹿げた話に見えるかも知れないが、タブレット端末は実際、安くてネットワークに接続しており、双方向な画面が必要な場合には役に立つ。読者がこれまでに経験した、作成したりサポートしたりすることを要求されてきたキオスクアプリケーションや、ニッチなハードウェアで、単一目的のデバイス上の「ヘビーな」OSを管理しようとする苦労、そして今後登場すると思われるあらゆるカスタムツールやハードウェアのことを考えてみて欲しい。
タブレット端末は簡単なソリューションになり得るし、「3つめの画面」アプリケーションをウェブベースのツールを使用して設計しておけば、そのアプリケーションが将来に渡って使えることを保証できる。軽いOSを使い、実行するサービスを最小限にしておけば、タブレット端末はおそらく数年は使い続けられるだろうし、ファームウェアのアップデートやOSのパッチなしでもキオスクアプリケーションを動かし続けられるだろう。トレードショーや訪問販売で使用する、双方向のキオスクアプリケーションや製品カタログを載せた、貸し出し用タブレット端末のプールを作ることさえ可能だ。
一般消費者に直接向き合うビジネスをしているのであれば、現在、かなりの数の顧客がタブレット端末を購入しようとしているか、実際に使っていることは明らかだ。これまでに挙げた理由が読者の組織で直接意味のある理由にならない場合でも、顧客を理解することは、すなわち彼らが使っているツールとテクノロジーを理解することだというのは、十分な理由になるだろう。技術が生活に浸透している中で、消費者が動かすトレンドを無視する企業は、事実上、顧客の生活の大きな変化を無視しているのと同じであり、顧客が見えなくなってしまうリスクを冒すことになる。
企業にとって、タブレット端末に必要不可欠なアプリケーションがないというのは、依然として正しい指摘だ。しかし、非常に魅力的なアプリケーションもいくつかある。既存のラップトップやデスクトップを置き換えてみるよう考え方を変え、ラップトップやデスクトップの機能を強化し、会社の中の現場で働く従業員、役員、移動が多い知識労働者によりよい体験を与えることを検討してみてはどうだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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