「Kindle Fire」が登場し、ほかのどのタブレットメーカーも壊滅状態となった。
Amazonは、Kindle Fireの価格を199ドルに設定することで、ほかのタブレットメーカーに警告を発した。この価格は、タブレット業界が標準価格と考えて引き寄せられていった500ドルという価格帯の半額以下だ。そうすることで、Amazonは消費者が高品質のタブレットに払うべき金額を見直そうとしている。
Current Analysisで家庭用電化製品を担当するAvi Greengart氏は、「それは、Apple以外の生粋のタブレットベンダーが製品を売って利益を上げることをさらに難しくする」と述べる。
Greengart氏の言うように、Appleの「iPad」は例外だ。iPadは、こうした現在のタブレットの流れの先駆けであり、数多くのアプリケーションから利益を得ている。それによって、iPadはメディアデバイスから、オフィスや学校、病院向けのツールへと進化することができた。iPadは、Appleの高い評価にも支えられており、それによって特別に高い価格でも正当化される。
これは、市場のほかのタブレットには当てはまらない。「Android」のタブレット向け最新バージョンである「Honeycomb」を搭載したデバイスでさえ、iPadほど万全ではない。また、それらを単なる素敵なエンターテインメント用デバイス以上のものにするアプリケーションもない。
実のところ、この傾向は数カ月前からすでに表れていた。Hewlett-Packard(HP)の「TouchPad」の大安売りは最も劇的な例だが、唯一の例というわけではない。最近では、Research In Motion(RIM)の「BlackBerry PlayBook」が値下げやリベート、ストア用ギフトカードを組み合わせて、価格を300ドルまで下げている。Motorola Mobilityの最高経営責任者(CEO)のSanjay Jha氏は、同社のタブレット「MOTOROLA XOOM」の発売時の価格の高さが発売当初の伸び悩みにつながったと認めている。
「TouchPad」の99ドルという価格は今でも例外であり、その価格では採算がほとんど取れない状況は変わらないが、それは、消費者はただのタブレットに500ドル支払うつもりはないというサインである。
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