続いて矢野氏は、NECが取り組む中期ビジョン「NECグループビジョン2017」について説明。「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」を掲げていることを示しながら、「NECが目指しているのは、いつでもどこでも誰でもが使える人にやさしい社会、そして限りある資源を効率的に活用し、地球にやさしい社会を作ることである」などとし、「NECは、40年前にコンピュータとコミュニケーションを融合したC&Cを提唱したが、いまはクラウドを介して新しい産業との融合を実現するC&Cクラウドを提唱している。C&Cクラウドの実現には、クラウドサービス、クラウド基盤、クラウド端末やセンサが重要である。NECはこれまでエレクトロニクスの会社であったが、いまやエネルギーと融合した産業でもビジネスを行っている。日産自動車の電気自動車であるリーフの電極はNECが提供しており、この技術は家庭用の蓄電池にも活用できる。これらを発展させ、スマート・ハウス、スマート・ストア、スマート・シティにも広がりをみせることができる」などとした。
続けて「日本が生きる道はスマート・イノベーションである。それを実現するのは企業同士の連携だ。新たな産業をつくることで、世界に打って出ることができる。日本は産業の裾野が広く、奥行きがある。それによって中国、韓国と差別化していくことができる」などと語った。
そのほか、NECが提供するソリューションについて説明。蓄電・充電統合システムによる次世代サービスステーションや、カメラ一体型超小型センサ、赤外線温度センサカメラなどの各種センサ技術、クラウドと連動させたデジタルサイネージソリューション、農業ビジネスや健康情報管理などを制御するマシン・トゥ・マシンの技術、スマートフォンをはじめとするモバイル端末を生かすためのスマートモバイルクラウド環境、小惑星探査機のはやぶさや先進的宇宙システム「ASNARO」などによる宇宙ソリューションについて説明。「NECは、電力、水、医療、教育、農業、交通、鉄道、環境といった領域において、スマート・イノベーションを起こそうと取り組んでいる」と語った。
最後に矢野氏は、「東日本大震災においては、世界100カ国以上から義援金が寄せられたが、これは世界において日本が大切な国であるという証でもある。日本が取り組んできたこれまでの支援は、単に資金を提供することではなく、発展途上国に雇用環境を生み出す援助をしてきたことであり、産業をつくってきたことである。ASEANの経済が急激に発展したのもそのためだ。今回の義援金は、日本の底力をみせてくれという世界からの声であり、日本は、それに応えなくてはならない。そこにスマート・イノベーションによる新たな産業の創出がある」と締めくくった。
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