NEC PC、約9.9mm、約350gのAndroid端末などを公開--米沢の開発拠点で

 NECとレノボ・グループは7月1日、日本国内でのPC事業を統合したNEC レノボ・ジャパン グループを発足。従来のNECパーソナルプロダクツ事業部の個人向けPC事業をグループに移し、NECパーソナルコンピュータとして新たなスタートを切った。

 NECパーソナルコンピュータの開発生産拠点である米沢事業所は、山形県米沢市に位置する。1944年に「米沢製作所」として設立され、1982年に日本電気の資本を得て「米沢日本電気」として1983年からノートPCの生産を開始した、NECにおけるPC事業の“マザーファクトリー”である。

 その米沢事業所にて、最新技術を構築するためのプロトタイプや2013年ごろに搭載されるという新技術などが記者向けに公開された。今回は一部のみを公開したもので、まだ多くの技術開発が進行中なのだという。

厚さ約9.9mm、約350gのAndroid端末--薄型軽量技術を向上

  • 厚さ約9.9mm、約350gの薄型端末

 コンセプト商品として厚さ約9.9mm、約350gの薄型端末が披露された。これは、品質と薄さの両立、革新的な要素技術、付加価値技術を構築するために作成されたプロトタイプだ。スーツ内のポケットに入るよう、ポケットサイズながらも7インチの有機EL(1024×600ドット)を搭載し、ストロークは約1mmの打ちやすいキーボードを搭載。OSはAndroidで、WLANとHSUPAを内蔵し、動作時間は最長約10時間とスペックにも妥協していないという。これは1年前から完成していたというが、コストなどの問題で見送ったものという。

  • モバイル端末薄型軽量化への取り組み

  • 横から見ても非常に薄い

  • 二軸ヒンジで、ディスプレイもこのように倒せる

「視線」でPCを操作可能に

  • 視線で操作しているところ

 PCの画面に表示されたCDジャケットを目で追うだけで曲の再生までできる──そんな究極の直感操作が可能になるかもしれない。対象を見るだけでハンズフリーで操作できるデモも披露された。カメラや近赤外線照明を使い、網膜上の近赤外線の反射像と瞳孔の位置から、視線方向を推定するというもの。例えば、アクティブにしたいウインドウを見るだけで操作したり、文章を読み進めるだけでスクロールしたりできるようになる。

 実際に体験してみたが、本当に目で画像を追うだけでセレクトしてくれる。ジェスチャーよりも直感的で、まさにキッチンなどで手が使えないときや、ショールームなど利用シーンは多くありそうだ。すべての操作を視線操作だけで完結することを目指したものではなく、マウスやキーボードを併用することで作業効率をアップできそうだ。

  • 視線操作の技術概要

  • 視線操作のためのセンサ

紙に書いたときの感覚をPC上で再現可能に--大画面ハプティクス

  • 大画面ハプティクスの技術概要

 このほか、大画面のタッチパネルで臨場感のある体験ができる「大画面ハプティクス」を公開した。例えば、ペイントのアプリなどで鉛筆や筆、消しゴムなどを使ったときにそれぞれ最適な振動を与えることで、あたかも実際にその道具を使っているような感覚が得られるようになる。これは、画面が大きくなると難しい技術という。

 会場では、数種類のボタンやダイヤルを回すデモが披露された。ペコッとへこんだ感触が得られるボタンやブザーを押した時のように振動があるものなどさまざまなボタンをPC上で再現できる。ダイヤルも、カチッと切り替えたり、鍵などのダイヤルをまわすように細かい振動や音が出るものなど、リアルな体験ができた。

  • ディスプレイの周りにはさまざまなセンサが搭載されている

  • ハプティクス コントローラ

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