9月15日、幕張メッセで開催されているゲームの見本市「東京ゲームショウ2011」で、バンダイナムコゲームスとディー・エヌ・エー(DeNA)の共同出資による新会社、BDNA(ビー・ディー・エヌ・エー)の設立発表会が開かれた。
会見には、BDNAの代表取締役社長を務めるバンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤伸氏と、ディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏が登壇。新会社設立に至った経緯のほか、日本や世界におけるソーシャルゲーム市場について語った。
バンダイナムコゲームスとDeNAはこれまでにも協業でサービスを展開しており、2010年7月にはDeNAのソーシャルゲームプラットフォーム「Mobage」にバンダイナムコゲームスのコンテンツを提供。また、同年12月からは共同開発したソーシャルゲーム「ガンダムロワイヤル」を提供している。
そして10月1日、スマートフォン向けのソーシャルゲームの開発および販売を事業の核とするBDNAを共同で設立する。鵜之澤氏は新会社について、「いままでご一緒にさせていただいて、お互いの持っていないところがあるなと感じた。世界の流れがスマホに変わっていくところで利害関係が一致した」と新会社の設立に至った背景を語る。
新会社では、バンダイナムコゲームスの強みであるコンソールゲームの企画・開発ノウハウやキャラクタービジネスノウハウと、DeNAの強みであるソーシャルゲーム開発ノウハウやマネタイズ力を融合させることで、国内外に独自のソーシャルゲームを提供していくとした。現時点では、「マクロス」シリーズ、「ガンダム」シリーズ、「たまごっち」シリーズなどのソーシャルゲームを開発予定だという。
守安氏は、ソーシャルゲーム業界における四半期単位のユーザー課金額の推移を記したグラフを紹介。第1四半期における国内市場規模が500~600億円にのぼることから、2011年度は2000億円を超える市場規模になると予測する。「市場が本格的に立ち上がってからまだ2年しか経っていない。とんでもない勢いで成長している」(守安氏)。この勢いはスマートフォンへの移行によって加速するとし、「2012年~2013年には3000億円を超える市場になるのでは」との見方を示す。
守安氏によればフィーチャーフォンのユーザーがスマートフォンへ移行しても、ソーシャルゲームの利用率にはほとんど変化がないという。「フィーチャーフォンでは操作性や画面サイズ、容量の問題でなかなかクオリティの高いゲームは提供できなかったが、スマートフォンによってコンソールゲーム機並みのソーシャルゲームが作れるようになる。新会社ではスマートフォンならではのソーシャルゲームを作っていきたい」(守安氏)
さらに世界市場についても言及。コンソールゲームはファミコンやスーパーファミコンの登場によって日本から世界へ広まっていったが、現在は市場も成熟し、日本のゲームが世界で占める割合は約15%だという。
守安氏は「ソーシャルゲーム市場では現状は日本が約半分の市場になっているとみている。特に海外市場の多くはPCが中心なので、モバイルのソーシャルゲームに関しては日本が8割以上を占める」と推測する。
また、世界においても日本に近い嗜好性をもったユーザーは多いはずと語り、世界におけるソーシャルゲーム市場が2~3兆円規模に成長した際には、コンソールゲーム市場と同じように、国内市場が15%近くを占めることができるのではと予測した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」