起業家の成長戦略にまたひとつ新たな選択肢が増えることになる。8月9日、孫泰蔵氏が代表取締役を務めるMOVIDA JAPANが、起業支援プログラム「Seed Acceleration Program」を発表した。これにあわせて同社サイトもリニューアルしている。
米Y-Combinatorがシリコンバレーにおけるスタートアップ輩出機関として大きな存在感を示し、彼らが運営するアクセラレートプログラムは、実に300以上のスタートアップを生み出している(注:共同ファウンダーであるPaul Grahamによるリリース記事/英文)ことは、ここ数年の米起業家界隈におけるトレンドと言える。
2007年頃から始まったこの流れは、同時期に同種のプログラムを開始したTechStarsをはじめとした他のベンチャーファームの動向にも影響を与えている。最近ではDave McClure氏の立ち上げた500 Startupsが日本のAQUSHやmygengoといったスタートアップの支援に乗り出すなど、アジア圏へ広がっている。
また、同様のプログラムが香港、シンガポール、インドネシア、韓国と立ち上がるなか、国内でもデジタルガレージ、カカクコム、ネットプライスが合同でOpen Network Labをで立ち上げるなど、シード期の起業支援の動きはますます活発化している。
今回MOVIDA JAPANが発表したプログラムには、東アジアにシリコンバレーのようなエコシステムを構築する、というコンセプトが含まれていた。この点をふまえ孫泰蔵氏にプログラムの特徴について話を聞いたところ「日本初アジア展開」がひとつのキーになる、と感じた。
孫氏はプログラムにて「強力なアジアワイドのネットワークを駆使する」と語る。同氏を通じて集まる起業家や投資家、企業などのコネクションは、スタートアップにとって重要な情報となるだろう。
では、アジア圏で活躍する起業家にはどのような要素が求められるのか? これについて孫氏は「価値観の違う人々の意見を尊重できるオープンマインドさ、思いきって相手の懐にとびこんでいける柔軟性、混沌の中で意見をまとめることができるリーダーシップ」と語る。「アジアは広く、いろいろな価値観やライフスタイルが混在する巨大な市場。日本の価値観だけでものを見ていては理解できないことが多い。自分の価値観に固執せず、なおかつ意見や主張はしっかり持つという姿勢が大事」(孫氏)
プログラムの概要については下記の通り。
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