起業支援プログラム発の「Sassor」、消費電力管理ツールの提供目指す

岩本有平(編集部)2010年09月30日 20時28分

 電力供給の最適化を実現する次世代電力網「スマートグリッド」。これをまず家庭の消費電力を把握するところから始める――そんな思いから新たなベンチャー企業が生まれた。デジタルガレージ、ネットプライスドットコム、カカクコムの3社が提供するエンジニア向けの起業支援プログラム「Open Network Lab」に参加する慶応義塾大学大学院の石橋秀一氏と宮内隆行氏は9月30日、「株式会社Sassor(サッソー)」を設立した。

 Sassorが提供を予定するのは、家庭内の消費電力管理ツール「Energy Literacy Platform(ELP)」だ。コンセントと家電製品の間に接続し、消費電力のデータを短距離無線規格の「ZigBee」で送信する「ELPモジュール」、モジュールからの計測データを受信し、ルータを経由してSassorのサーバへ送信する「ELPレシーバ」の2種類の機器と消費電力を確認できるウェブサイトで構成される。

  • コンセントと家電製品の間に接続する「ELPモジュール」

  • ウェブサイトのイメージ

  • iPhoneアプリでは消費電力の確認だけでなく、電源のオンオフも操作できるようになるという

 ウェブサイトでは、機器を通じて測定された消費電力や電気料金を閲覧できる。「自転車をこいで自家発電するとどのくらいの時間がかかるか」といった換算や、ほかの家庭との消費電力比較などもできるという。開発中のiPhoneアプリでは、ネットワーク経由での電源コントロール機能も提供する予定。

 機器はファブレス方式で製造する予定。価格については「製造数にもよるので何とも言えない」(石橋氏)とのことだが、当初は5000円以下での販売を目指しているようだ。機器販売と月額の課金を想定するが、詳細なプランについてはまだ未定だ。当初は一般家庭向けにサービスを展開するが、ニーズに合わせて法人へのサービス提供も検討していく。今後はプロトタイプの開発や生産ラインの確保を進め、1年以内のサービス公開を目指す。

サービスのイメージ 「Energy Literacy Platform」のサービスイメージ

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