しかし、単に訪問者数を増やせばいいということではない。その点については、Facebookの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏も、Skypeのビデオチャット技術をFacebookに組み込む計画を発表した7月の記者会見で言及している。Facebookは膨大な数のユーザーを抱えているが、Zuckerberg氏は、今後より重要となる測定基準は「ユーザーがサービスから得られる価値」になると考えている。その価値はユーザーのFacebookの利用時間、そしてFacebook用に開発されるアプリケーション数の増加へとつながり、ひいてはユーザー同士が互いに情報を得るネットワーク効果を活性化させるはずだ。
これはGoogleが心に留めておくべき教訓だ。サービス開始から間もないとはいえ、GoogleはFacebookと同様の方法で、Google+に関するパートナーシップ構築の取り組みを強化する必要があるだろう。Googleが何もかも自前で行うのは不可能であるため、Google+を開発者に開放して、より多くのユーザーを引き付けるアプリケーションを開発してもらう必要がある。例えば、パーティ開催を支援するWebサービスEventbriteは、顧客がFacebookを介してつながれるようにしている。パートナーシップによって、両方のサービスの価値が高まる。Google+を成長させるには、他社にとっての足がかりとなるようなプラットフォームを産み出す必要があるだろう。
Facebookというプラットフォームの最も重要な部分は、ソーシャルゲームかもしれない。「CityVille」や「Bejeweled Blitz」はカジュアルゲーマーを呼び込み、一度に何時間もプレイするほど夢中にさせている。Googleも明らかにゲームの重要性を認識しており、Google+では「ゲームから共有されたアップデート」が含まれる「Games Stream」を準備中とされている。
そしてGoogleは、さらに多くのビジネスをGoogle+に取り込もうとしているのかもしれない。手は尽くされたように見えるかもしれないが、ソーシャルネットワークによって企業は顧客とつながり、商取引を行い、ユニークなコンテンツを共有してきた。これは人々が当初Google+に注目した理由とは違うかもしれないが、これが人々を引き付け続けるすばらしい方法とみなされるかもしれない。
GoogleのMatt Waddell氏は先ごろ、Google+の最新アップデートに関する投稿を行い、左右にドラッグすることでサークルを整理し直す機能や、Facebookの「Like」ボタンと同種の「+1」ボタンでレンダリング速度が従来の3倍になったことなどを明らかにした。確かに良いものだが、新たな勢いを生み出すものとは到底言えない。Googleは、Google+の次のステップに関しては何も明らかにしていない。
Googleの広報担当者は次のように述べている。「Google+は進行中のプロジェクトであり、まだ始まったばかりだ。いずれ数多くの機能が追加される予定で、今はプロジェクトの開始に胸を躍らせている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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