Microsoftが、世界中で使用されている膨大な数のノートPCや携帯電話といったWi-Fi対応端末の推定位置情報にウェブからアクセスできるようにしていた件で、同社はこれを非公開にする措置を講じた。米CNETは、米国時間7月29日付の記事でプライバシー上の懸念を指摘していた。
Live.comのジオロケーション(地理位置情報)サービスを手直しするという今回の決定が下される前には、「Windows Phone 7」搭載端末からの情報、そして、Microsoftの言う「マネージド・ドライビング」によって得られた情報で構築されているデータベースを公開する同社の手法について、詮索がなされていた。マネージド・ドライビングでは、Googleの「Street View」と同じような車両を使って、公道からアクセス可能なWi-Fi信号を記録している。すべてのWi-Fi機器にはMACアドレスとも呼ばれる固有のIDが付与されており、通常これは変更できない。
Wi-Fi対応端末の正確な地理的位置情報を公開していたLive.comのデータベースは、7月29日の時点で通常通り稼働していた。だが翌30日午前、それまでLive.comサービスの分析を行っていたStanford Security Laboratoryの博士研究員であるElie Bursztein氏は、このアクセスが制限されていることに気付いた。
これに先立ち、Googleも同様の動きを見せていた。同社は米CNETが6月15日に報じた記事から何日も経って、位置情報データベースへのアクセスを制限した。同様の位置情報サービスを提供するSkyhook Wirelessは、以前から限定した形の地理位置情報を使用してプライバシーを保護している。
データベースへのアクセスを制限しようとするMicrosoftやGoogleの動きは、位置情報をめぐるプライバシー上の懸念が高まってきた現状を受けたものだ。Appleは4月、「iPhone」でおおよその位置情報データをログに記録していたとして非難され、最終的に修正をリリースした。この論争が引き金となって、位置情報をめぐる他企業のプライバシー慣行に関する一連の情報公開、米議会議員による質問や苦情、米上院での2回にわたる公聴会、および現在では不可避となっている集団訴訟の認定を求める複数の訴訟につながった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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