Googleの「Street View」撮影車両が、ノートPCや携帯電話、その他のWi-Fi対応デバイスの位置情報を世界各地で大量に収集していたことを、米CNETは確認した。プライバシーに関する新たな懸念を生む行為だ。
Street Viewの撮影車両は、Wi-Fiのアクセスポイントの位置情報を収集しているとされていた。しかしGoogleはそれ以外にも、Wi-Fiネットワークを利用しているコンピュータその他のデバイスについて、固有の識別子と所在地住所を記録し、そのデータを数週間前までGoogle.comを通じて公開していた。
先ごろ米CNETに対して、フランスのデータ保護当局である情報処理と自由に関する国家委員会(CNIL)からコンタクトがあり、Street View撮影車両が固有のハードウェアIDを収集していたことが、CNILの調査によって確認されたとの情報がもたらされた。2011年3月には、同じくCNILの調査の結果、10万ユーロ(約14万3000ドル)の罰金がGoogleに科されている。
セキュリティコンサルタントAshkan Soltani氏の調査がきっかけとなった米CNETの6月15日付の記事では、Googleが固有のハードウェアIDであるMACアドレスを収集し、ウェブインターフェースを通じて公開していたことを、いち早く伝えた。この記事から約1週間後、Googleはデバイスの位置情報の公開を制限している。
しかしこのとき、Googleの位置情報データベースにあるハードウェアIDが、アクセスポイントとワイヤレスルータのものだけなのか、あるいはコンピュータや携帯電話といったクライアントデバイス(PDFファイル)のものも含むのかは不明だった。
印象としては、どちらも収集されていたように思われる。民主主義と技術のためのセンター(Center for Democracy and Technology:CDT)のチーフコンピュータサイエンティストで、インターネット技術タスクフォース(IETF)のジオロケーション(地理位置情報)担当共同議長を務めるAlissa Cooper氏は、2009年に住んでいた自宅の住所が、Googleの位置情報データベースに入っていたと話している。また、カリフォルニア大学バークレー校の講師で、同校のテクノロジと政策に関する研究室を共同で指導するNick Doty氏も、以前住んでいたシアトルのキャピタルヒルの住所が、Googleのデータベースに入っていたという。
セキュリティを研究するSoltani氏は「(ハードウェアアドレスが)データベースに収められた理由と経緯がいくらか明らかになれば、人々がそれに応じた行動をとる上で役立つ」と述べている。
この記事のために1週間以上にわたって再三コメントを求めているが、Googleはこれを拒否している。同社は6月に出した声明において「われわれは、Wi-Fiアクセスポイントの公開されたMACアドレスを収集している」と述べるにとどまっている。これは、その時点での活動にのみ言及したもので、それ以前の行為には触れていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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