動画ポータルサイトのHuluは、映画スタジオやテレビネットワークが音楽業界と同じ過ちを繰り返すのを防ぐと言われていた。
Huluにより、インターネットは人気のテレビ番組や映画をケーブルよりも安い値段で配信する新しい手段へと変わり、視聴者は番組を見る場所や時間をより柔軟に選べるようになると言われていた。
しかしハリウッド発の最新ニュースは、こうした熱狂が的外れ、または時期尚早、あるいはその両方であったことを示しているようだ。その最も新しく、最も劇的な兆候が米国時間7月26日に明らかになった。Rupert Murdoch氏のNews Corp.が所有するFox Networkは同日、同ネットワークのテレビ番組へのウェブアクセスを、提携関係にあるケーブルおよび衛星テレビ事業者(現在のところ、提携しているのはDish Networkのみ)とサブスクリプション契約を結んだ視聴者、またはHuluの有料サブスクリプションサービスであるHulu Plusの加入者に限定すると発表した。これら3つのいずれかに料金を支払っていないユーザーは、「BONES(ボーンズ)」や「Glee/グリー」といったFoxの最新エピソードを見られるようになるまで、8日間待たなければならない。
Foxの動きは、「無料コンテンツという夢は去った」と慌てて報道するに値することには思えないかもしれない。しかし、これはここ1年ほどのトレンドを象徴する最も劇的な例である。放送局やテレビネットワークは広告収入をベースとしたウェブ配信に見切りを付けようとしている。彼らは、インターネットが格安コンテンツへの魔法の入り口であるという認識を改めたいと考えている。代わりに、コンテンツ制作企業は、ウェブを資金力のあるケーブル業界の延長へと効果的に変えようとしている。
ウェブの至る所で起きていることを見てみよう。Netflixのサブスクリプション料金は上昇している。Huluは2010年から料金請求を開始し、より多くのコンテンツを有料化している。そして現在、同サービスにコンテンツを提供しているメディア企業は同ポータルを売却しようとしている。HBO Goは、ケーブルテレビの顧客でHome Box Office(HBO)とサブスクリプション契約を結んでいるユーザーに対し、インターネット配信の優れた部分をすべて提供する洗練されたストリーミングサービスとiPadアプリ構築し、衝撃を与えた。これらの例はテレビだが、映画業界でもそれほど大きな違いはない。Netflixは2010年、Warner Bros.や20th Century Fox、NBC Universalといったスタジオの新作DVDのレンタルを28日間控えることに合意した。その取り決めの目的は、ディスクの販売促進だ。
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