NTTコミュニケーションズ(NTT Com)と日本マイクロソフト(日本MS)は6月6日、ハイブリッドクラウドサービスでの協業を拡大させると発表した。日本MSが現在提供しているPaaS「Microsoft Windows Azure Platform」に加えて、年内に予定されているSaaS「Microsoft Office 365」に対応したサービスをNTT Comのユーザーにも提供することで合意した。NTT Comは日本の通信事業者として初のOffice 365の協業パートナーになるとしている。
NTT Comは企業の基幹系システムや情報インフラ基盤に対応するハイブリッドクラウドサービス「Bizホスティング エンタープライズ(BHE)」とOffice 365を組み合わせて、オンプレミスを含めた認証連携を実現するソリューションと、いつでもどこでも簡単に仕事ができる利便性を実現するソリューションをワンストップで提供するとしている。4月から提供している「BHE Azureハイブリッドオプション」も含めてハイブリッドクラウドソリューションを強化していくという。BHE Azureハイブリッドオプションは、BHEの管理ポータルで、Windows Azure Platformの自動スケールアウトやスケジューリング機能を実現し、システムの状況を確認できるというものだ。
日本MSは、日本国内で有料利用数が30万を超えたというSaaS「Business Productivity Online Suite(BPOS)」を中心に、Windows Azure PlatformやSaaS型CRM「Microsoft Dynamics CRM Online」などのクラウドサービス戦略を推し進める中で、中小企業から大企業まで顧客層の拡大を計画しており、グローバルに拠点展開する企業内でのコミュニケーション基盤としての展開を狙い、NTT Comと協力して市場展開することに合意したと説明している。
Office 365は、日本MSが提供しているBPOS、小規模企業向けの「Office Live Small Business」、教育機関向けの「Live@edu」の経験をもとに開発。2010年10月からベータ版での限定的試行利用に参加した数千社の企業が評価しており、この4月からは一般ベータ版を公開し、2011年内に正式提供を予定している。
今後NTT Comでは、複数のクラウドをつなぐオーケストレーションサービスとして、オンプレミス上のActive Directory認証で、Office 365へのシングルサインオン(SSO)を実現するActive Directory連携サービス(Active Directory Federation Services:ADFS)を、Office 365の正式提供にあわせて、BHEで提供する。Office 365をBizCITYのSaaSメニューやSOHO向けのパッケージサービスとしても利用できるように検討を進める。
日本MSでは、Office 365に加えてPC管理SaaS「Windows Intune」など、パブリッククラウドの拡充を図り、NTT Comと協力しながら、企業のクラウド利用を推進していくとしている。
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