カリフォルニア州ランチョパロスバーデス発--Adobe Systemsの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるShantanu Narayen氏は米国時間6月2日、D: All Things Digital(D9)カンファレンスで、ホストを務めるWalt Mossberg氏から「『Flash』の現状はどうなっているか」と尋ねられ、「われわれは世界のコンテンツを生み出している」と答えた。
Flash開発者コミュニティーにとって気がかりなことに、「Flashは実際、当社のごく一部を占めるにすぎない」とNarayen氏は述べた。同氏はまた、「iPad」でのFlash対応をめぐってAppleと交わした論戦に言及し、「これが技術に関する問題でないことは明らかだ。(中略)われわれは、ユーザーが1度作成すれば」あらゆる場所で公開できるようにしているとして、「これはビジネスモデルの問題だ」と述べた。「この問題は、プラットフォーム上で実行できるアプリケーションをコントロールすることにほかならない」(Narayen氏)
Mossberg氏は、Flashが技術的に期待通りのレベルであるという見方を否定し、「Flashが本当にうまく動くタブレットをまだ見たことがない」と述べた。ここで同氏が特に念頭に置いていたのは「Android」搭載タブレットだ。
では、HTML5の世界におけるFlashの未来についてはどうか。AdobeはHTML5の開発に「積極的に貢献」しており、「Adobeが実際に利益を得ているのはツールの開発だ」と、Narayen氏は述べた。HTML5はまだ初期段階にあり、標準の策定は一部の人が考えているほど整理されておらず、特に動画の規格において「亀裂が見え始めている」という。「標準がない場合、われわれは標準を生み出す」と、Narayen氏は述べた。ここで同氏が言おうとしたのは、Adobeが開発し、デスクトップパブリッシング(DTP)市場の開拓に貢献したページ記述プロトコル「PostScript」のことだ。
Mossberg氏は、教科書の出版を手がける新興企業Inklingが行ったデモを踏まえて、PDFフォーマットの今後についても尋ねた。「タブレットは新しいメディアだ」と、Narayen氏は述べた。「パブリッシャーたちが今やっているのは、『自分のPDFをどう扱えばいいのか』という疑問を口にすることだ。なぜなら、それが元の素材だからだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果