NokiaとAppleが特許をめぐる訴訟で和解に達したことで、NokiaはAppleから6億800万ドルの一時金支払いを引き出した可能性が高い。しかし、Nokiaが長期にわたって健全な状態を維持できるかどうかは、特許使用料ではなく製品にかかっている。
NokiaとAppleの特許訴訟で和解が成立し、AppleがNokiaに特許使用料を支払うことになったとのニュースを受けて、アナリストは即座に業績への影響の分析に取りかかった。Nokiaによると、Appleからの支払いは、不調な第2四半期決算に好影響をもたらすことになるという。
Deutsche BankのアナリストであるKai Korschelt氏はリサーチメモの中で、Nokiaは第2四半期に4億2000万ユーロの支払いを受け取ることになりそうだと述べた。6億800万ドルに相当するこの金額は、第1四半期までに平均販売価格550ドルで販売された1億1000万台の「iPhone」全てを対象に、1%の特許使用料を算出したものだ。
この金額は、概ね過去の特許訴訟の流れを汲んだものだ。Research In Motionは2006年3月、訴訟和解金としてNTPに6億1250万ドルを支払っている。Nokiaは2008年、Qualcommに23億ドルを支払った。その一方で、Qualcommは2009年4月、Broadcomに4年間で8億9100万ドルを支払うことで合意している。サムスンとLGの両社は2009年12月、Kodakとの特許訴訟において、それぞれ5億5000万ドルと4億1400億ドルで和解を成立させている。
Korschelt氏によると、売上高からNokiaに継続的に支払われる金額は1四半期あたり9500万ユーロ(1億3760万ドル)になる可能性が高いという。
Morgan StanleyのアナリストであるPatrick Standaert氏は、Nokiaの迅速な勝利は同社の長期的展望に変化をもたらさないと述べた。
Appleとの特許訴訟和解によって、Nokiaは特許使用料の支払いによる利益を継続的に受け取り、Appleの成功の恩恵を間接的に受けられるようになる。しかし、Nokiaは製品を扱う企業であり、われわれは新しいスマートフォン戦略の成功を目にするまで、長期的展望に大きな期待を抱くことはできない。Nokiaの特許訴訟での勝利は長期的展望にほとんど影響を及ぼさない。依然として、Nokiaには「Windows Phone 7」デバイスへ移行し、今後も一定の市場シェアを維持し続けるという仕事が残っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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