ハイテク業界で多くの企業に対し特許侵害訴訟を起こしているLodsysが、今度はadidasやBest Buyといった大手企業を訴えた。
Lodsysがこれまでにターゲットとした企業には、iOSやAndroidの開発企業、サムスン、Hewlett-Packard、ブラザー工業、Motrolaなどがある。6月10日に同社はさらにこのリストを拡大し、Sam's Club、Best Western、Black & Decker、The Container Store、The Teaching Company、Vitamin Shoppe、Vegas.com、adidas、CVS、Best Buyを告訴した。
Lodsysのこの動きは驚くべきものではない。同社は4月19日adidasに対し、adidasが4つの特許を侵害したとの書簡を送付しており、先週ミシガン州の企業ForeSee ResultsがLodsysに対し宣言的判決訴訟を起こしている。ForeSeeはadidasとBest Buyを顧客として抱えており、Lodsysはこの2社に対し、特許を侵害したと主張する書簡を送付していた。
今回の訴訟は、FOSS PatentsブログのFlorian Mueller氏によって明らかになった。訴訟の内容は、米国特許番号5999908の「顧客ベースの製品デザインモジュール」を侵害しているというものだ。また、Black & Decker、The Vitamin Shoppe、Sam's Clubに対しては、特許番号7222078の「ネットワークにわたって日用品から情報収集する方法とシステム」も侵害していると主張している。
Lodsysは、事業を営まない団体(Nonpracticing Entity:NPE)とされており、特許をライセンス供与する以外ほかのビジネスは行っていない。つまり、パテントトロールである。Lodsysは自社で技術を利用しているわけではないため、被告がLodsysに対し自社の特許を侵害しているとの対抗訴訟を起こすこともできず、被告にとってやっかいな相手だ。
ちなみにIBMは、特許ポートフォリオからコンピュータを利用して金もうけする過程を特許として申請しているが、この申請が認められれば、IBMはNPEに対して反訴できる可能性がある。
Lodsysは、一部の特許をライセンス供与することに成功している。adidasに対する書簡の中でLodsysは、同社の特許をApple、Microsoft、Adobe Systems、eBay、Google、Nokia、Verizon、ソニー、NVIDIA、American Express、Intuitなどの企業に対してライセンスしたとしている。
ただし、GoogleとAppleに関しては、ライセンス供与だけにとどまっていない。Lodsysは、AppleのiOSやGoogleのAndroidを利用する開発者に対し、アプリ内課金に関する特許を侵害しているとして訴訟を起こしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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