特許保有企業のLodsysが開発者の売り上げから特許使用料を徴収しようともくろんでいるが、開発者はAppleが自分たちを守ってくれると考えていた。しかし、問題はまだ解決していないのかもしれない。
AppleはLodsysに対し、問題となっている4件の特許のライセンスを取得しており、それはアプリケーション内課金機能を使用する「iOS」開発者にも適用されると述べた。しかし、Lodsysはその1週間後、それは話が異なっていると述べた。
Lodsysは米国時間5月31日午後、同社公式ブログへの投稿で(MacRumorsが先に報じた)、Appleの主張を検討し「複数の法律専門家」にも相談したが、アプリケーション内課金機能を実装している開発者は訴訟を回避したければ、やはり売り上げの一部をLodsysに支払わなければならない、と述べた。
「われわれは以前、Lodsysの特許を侵害しているのはサードパーティーの開発者たちであり、彼らは自らのアプリケーションの権利を確保する責任があるという立場を示したが、今でもその考えは変わっていない。Appleの書簡を頼りにしている開発者も損害を被ることになる。そうした開発者には、Apple自身の開発者契約を精査して、Appleの開発者に対する責任の範囲が実際にどの程度なのか確かめることを強く求める」(Lodsysの投稿)
Lodsysは反論を投稿しただけでなく、Appleの先週の書簡を踏まえて、そして「自らの法的な選択肢を保持」するために、当初の21日間の警告期間終了を前に複数のアプリケーション開発者を既に訴えたと述べた。FOSS Patentsが見つけ出したそれらの企業には、Combay Inc.やIconfactory Inc.、Illusion Labs AB、Shovelmate、Quickoffice Inc.、Wulven Games、開発者のRichard Shinderman氏などが含まれる。
Lodsysは5月からiOS開発者を標的にし始め、彼らの開発したモバイルアプリケーションが4件の特許を侵害していると通知する書簡を送付した。Lodsysはそれぞれのアプリケーション開発者の売り上げから特許使用料として一定の割合を受け取ることを求めており、過去にさかのぼって料金を徴収するとまで述べている。つい最近では、「Android」も標的に加え、アプリケーション内課金に関するほぼ同じ内容の書簡を少なくとも1人の開発者に送付した。
Lodsysの主張を受けて、Appleのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルカウンセルであるBruce Sewell氏は先週書簡を送付し、Lodsysとのライセンス契約によって、Appleの開発者にはLodsysが主張する特許の「使用ライセンスが間違いなく適用される」と述べた。
Appleにコメントを求めたがすぐには回答を得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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