ロサンゼルス発--任天堂が2012年に発売する「Wii U」は、「Wii」ハードウェア、さらには家庭用ゲーム機の新しい形であるが、いまだ謎に包まれたデバイスだ。そのコントローラは魅力的で、見たところ非常に幅広い機能がありそうだ。米CNETは、任天堂が米国時間6月7日午前に行ったプレスカンファレンスの後で、Wii Uを操作する機会を得られた。さらに情報を得るため、任天堂の宮本茂氏と1対1のインタビューを行った。宮本氏は、ゲームデザイン分野の伝説的存在で、任天堂のファーストパーティーゲームの開発を担当するクリエイティブな取締役だ。
時間は限られていたが、もちろん聞きたいことが山ほどあった。Wii Uについて、今後の家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機の進化について、そして最も重要なのは、これらすべてがAppleとどう関係するのかについてだ。
--何がWii U誕生につながったのでしょうか。
宮本氏:外からの影響は受けていません。実際にWii Uのアイデアの源泉となったのは、Wii本来のコンセプトです。われわれはWiiを決して眠らないシステムとして考え、「WiiConnect24」などを導入しています。つまり、ユーザーはいつでも、このシステムに非常に素早くアクセスできるということです。しかし気がついたことがあります。テレビが大型化するにつれて、テレビをつけている時間が以前よりもずっと長くなってきたことです。短時間だけ見るというのではなくなったのです。このことは人々にとっての障壁となりました。つまり、誰かがテレビを見ていれば、ゲームをしたい人や、Wiiシステムのその日の新着情報を確認したい人は、基本的にWiiシステムを利用できないのです。
そこで、こうした課題を踏まえ、われわれは新システムで実現したいことの検討を始めました。そして、いつでもテレビに頼れるわけではないのなら、Wiiシステム専用のスクリーンを用意して、テレビの使用状況に関係なく、ユーザーがWiiシステムと素早く、瞬間的にやり取りできるようにする必要があると考えるようになりました。
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