太陽光や風力などを利用した自然エネルギーの普及促進を目指し、ソフトバンクグループと19の地方自治体が「自然エネルギー協議会」を設立する。現在、日本のエネルギーのうち10%が自然エネルギーだが、2020年にはこれを30%にまで引き上げることを目標に据える。
ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は「自然エネルギーは、原子力や火力に比べて力が弱すぎるという批判がある。しかし砂漠に太陽光パネルを設置すれば、全世界の電力を賄えるという試算も出ており、この力は大きい。日本に砂漠はないが知恵と技術がある。また適度に雨が降り、日照時間も確保できる、風も吹くという日本の気候は自然エネルギーに非常に適している。この恵まれた自然と優れた技術を、県知事や国と話し合いながら有効活用するべきではないかと考えた」と、協議会設立に関する背景を話した。
自然エネルギー協議会が目指すのは、現在原子力、火力の2本柱であるエネルギーを、自然エネルギー、省エネルギーを加え4本柱にすること。そのなかで太陽光、風力、地熱など、地域的な特性をいかして自然エネルギーを得ることで、分散型エネルギー社会の実現を目指す。
具体的なプロジェクトとして挙げられたのが「電田(でんでん)プロジェクト」だ。これは現在の休耕地、耕作放棄地に太陽光パネルを設置することで、発電しようとするもの。「すべての休耕地、耕作放棄地を利用するわけにはいかないまでも、そのうちの2割を使用しただけでも5000万キロワットが発電できる」(孫氏)という。
農地として使用されている土地を転用するには規制があるが、公益性の高い事業に使用する場合は許可が下りるとしており「発電はまさに公共性の高い事業。杭をさして太陽光パネルを設置するだけなので、農地用途のまま一時的に利用できるのではないか」(孫氏)としている。
自然エネルギー協議会の設立は7月初旬を予定。電田プロジェクトのほか、屋根に太陽光パネルを設置する屋根プロジェクトで2000万キロワット、その他で3000万キロワットを導入し、2020年度までに合計1億キロワットを自然エネルギーで発電することを目標に据えている。
なお、今回の協議会は積極的に自然エネルギーに取り組んでいる、または情報を発信している知事に声をかけたり、紹介されたりして横に広がり、設立に至ったとしている。
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