Microsoftが先に発表した会計年度2011年第3四半期の決算報告で、「Office」は好業績を収めたが、「Windows」はそれほどでもなかった。
ここ数年、MicrosoftはWindowsとOfficeの2つを戦略の柱としており、この2事業は現在でも売り上げの大部分を占めている。この売り上げを利用して他の事業を育て、製品土台を多様化するというのがMicrosoftの狙いだ。
2011年3月末で終了した第3四半期、MicrosoftのBusiness部門は52億5000万ドルを売り上げ、31億6000万ドルの営業利益を記録した。Windows & Windows Live部門の売上高は44億ドル、営業利益は27億6000万ドルだった。最高財務責任者(CFO)のPeter Klein氏は、主としてネットブックなどのコンシューマー向けのPC出荷が同期に8%減少したと述べ、タブレットの台頭が原因であることを認めた。
Windows部門の売上高は、2009年10月に発売した「Windows 7」以来、横ばいが続いていた。しかし、第3四半期の44億ドルは、会計年度2010年のWindows 7発売直前以来の低い数値となる。
Windows & Windows Live部門の売上高の推移
Microsoftが「Windows 8」を発表するまで、まだかなりの時間がある。Microsoftが予想通りに通常と同じパターンを踏襲するのなら、Windows 8ベースのPCやタブレットが2012年の年末商戦前に登場する可能性は低い。Microsoftは今後数カ月にわたって需要を維持するにあたり、Windows 7搭載タブレット、それに法人向けWindows 7搭載新規PCに大きな期待をかけている。
Microsoftと同社のパートナーにとっては幸運なことに、もう1つのドル箱事業であるOfficeは好調だった。
Office事業部の売上高の推移
現時点で、次期版の「Office 15」がいつ発売になるのかはわからない(うわさでは2013年といわれている)。だが、Microsoftはサーバベースの製品(「SharePoint」「Exchange」「Lync」)、クラウドベースの製品(「BPOS」「Office 365」)、クライアントライセンス(CAL)など、Office事業部(Microsoft Bueinsss部門)を支える製品の多様化を急ピッチで進めているように見える。
もちろん、Server&Tools部門(そして、特に今四半期は「Kinect」が好調で好業績を収めたXbox事業部)はそれ自体で健全な財務状態を維持している(Server&Tools部門の売上高は41億ドルで、Windowsとほぼ同レベルだった)。Online Service部門は、Yahooとの提携による広告プラットフォーム移管問題の影響を受け、業績が振るわなかった。
多くのMicrosoft担当アナリストの頭をよぎる最大の問題は、MicrosoftがWindowsとOffice以外の製品から多くの収益を得られる体制を急速に築き、市場の変化が起きた際に(ネットブック市場の失速やタブレット市場の台頭により、Microsoftが崖っぷちに追いやられるような事態に)両事業の収益悪化を埋め合わせることができるか、だろう。今四半期、Office事業部の好調さに支えられたことはMicrosoftにとっては良い話だが、OfficeがMicrosoftを支えられなくなった場合、新しいドル箱事業はあるのだろうか?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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