UPDATE Microsoftが、売上高、利益ともに好調な2011会計年度第3四半期決算を発表した。好調な「Office」と「Xbox」事業が、売れ行きが鈍化しているPC事業をカバーする格好となった。
売上高は前年同期比13%増の164億3000万ドル、利益は31%増の52億3000万ドルであった。1株あたり利益は36%増の61セント。これには、2004年から2006年の税務監査に関する米内国歳入庁(IRS)との和解で得た1株あたり5セントが含まれる。
Microsoftの最高財務責任者(CFO)を務めるPeter Klein氏はこの業績について、アナリスト、投資家、ジャーナリストらとの電話会議において、「同四半期の健全な財務業績に満足している」と述べた。
「Windows」はライセンス販売数が3億5000万件に達し、史上最も速いペースで売れているOSであるとMicrosoftは述べているが、同四半期のこの主力事業の売上高は4%減少し、44億5000万ドルであった。同部門の営業利益は、10%減の27億6000万ドルであった。
Microsoftによると、同四半期の世界のPC売上高は、1~3%減少しているという。売り上げが40%減ったネットブックも含めて、一般消費者向けPCの売上高は8%減少した。しかし、企業向けPCの売上高は9%増加した。
Klein氏は、Microsoftの「幅広く底深い」製品ポートフォリオのおかげで同社は低調なPC市場を乗り切ることができたと述べた。最も好調だったのは、生産性アプリケーションであるOfficeスイートを主に扱うMicrosoft Business部門であった。同部門の売上高はWindows部門を上回り、1年前に発売された「Office 2010」の売れ行きに牽引されて21%増の52億5000万ドルであった。同部門の営業利益は、25%増の31億7000万ドルであった。
Entertainment & Devices部門の業績も回復し、売り上げは60%増の19億4000万ドル、営業利益は50%増の2億2500万ドルとなった。売り上げを主に牽引したのは、同社のゲーム用モーションコントローラ「Kinect」だった。同デバイスは、2010年の年末商戦前に発売され、最も急速に売り上げを伸ばした家庭用電子機器となっている。同社によると、同四半期中の「Xbox 360」の販売数は270万台で、前年同期より79%伸びている。
Server & Tools部門も引き続き、業績に寄与している。同部門の売り上げは11%増の41億ドル、営業利益は12%増の14億2000万ドルだった。部門の好調を支えたのは、「Windows Server」「SQL Server」「System Center」の企業での導入だ。
検索エンジン「Bing」などのウェブサービスを擁するOnline Services部門は赤字から抜け出せず、損失が2%拡大し、7億2600万ドルとなった。Yahooの最高経営責任者(CEO)Carol Bartz氏は先日、期待していただけの売り上げをMicrosoftとの提携から得られていないとして、MicrosoftのadCenter技術を批判した。adCenterはオンライン広告を購入、配信するためのプラットフォームだ。
Klein氏は問題を認め、adCenterの1検索あたりの売り上げはMicrosoftの期待をも下回っているとした。MicrosoftとYahooの両社は問題が解決されるまで、サービスの国際展開を見送っている。
オンライン部門の売り上げは15%増の6億4800万ドルだった。
Microsoftは、7月に始まる次期会計年度において、営業経費が以前の予測より3~5%増え、280億8000万ドルから286億ドルになる予定であると述べた。これは従業員報酬として株式の比率を抑え、現金を増やすとしたためだ。
第3四半期中にMicrosoftは8億2700万ドル分の株式を買い戻した。同四半期の株式配当は13億ドル。それでも同社の保有現金は501億5000万ドルとなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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