先日流出した「Windows 8」のビルドに対してさまざまな分析がこのところ行われているが、わたしはWindows 8の機能についてここで言及するのを極力控えてきた。
しかし、最近明らかになった話題には触れずにはいられなかった。というのも、わたしが数年前に紹介した開発コード「Redhawk」に関連する話だからだ。
Redhawkを紹介したのは2008年(Microsoftが「Windows 7」を製造工程向けリリース(RTM)にする1年前だ)のことだ。Redhawkは新しいマネージドコード実行環境の開発にフォーカスしたプロジェクトで、「.NET Framework」の中核となっている「Common Language Runtime」(CLR)でのオーバーヘッドを感じて距離を置いている開発者にアピールするような軽量なものを目指している、とその当時のわたしの情報源は教えてくれた。
当時から、Redhawkの成果物(特に、ドライバモデル周辺)の一部がWindows 8に組み込まれる可能性があることは聞いていた。情報源によると、MicrosoftのテクニカルフェローであるPatrick Dussud氏がRedhawk開発を率いているとのことだった。Dussud氏はこれについてのコメントを控えている(Dussud氏の経歴には、.NET Frameworkチームのチーフアーキテクト、Windowsコアアーキテクチャチームのメンバーと紹介されている)。Dussud氏は以前、わたしのインタビューに応じた際、次の大規模プロジェクトの一部として、拡張性とマルチコアサポートに大きくフォーカスしていると述べていた。
4月に入ってウェブに流出したWindows 8のマイルストーン1(M1)を分析した人々によると、Redhawkが何らかの形でWindows 8に入っているようだ。MyDigitalLifeにコメントがあるほか、MicrosoftのChannel 9でもRedhawkに関する議論やRedhawkがWindows 8に何をもたらすのかについての憶測が書かれている(Channel 9の件については、Ma-Config.comのCharon氏に教えてもらった)。コメントを書き込んだ人は、ビルドの中に「System Language Runtime」(SLR)を参照する「Rh」「Rhp」(「Redhawk Project」の省略形だろうか?)があると指摘している。
興味深いのは、「.NET 5」についての新しい情報が(これまでのところ)何もない点だ。M1のリークでは、.NET 5ではなく、「.NET 4.0.30215」ビルドについて言及がある。Microsoftが「Visual Studio 2012」の情報を明らかにすると予想される今夏中には、次期.NET Frameworkについて情報が出てくるかもしれない。あるいは、5月のTechEdになるかもしれない。
わたしがもう1つ注目しているのが、Windows 8と次期.NETにRedhawkが含まれることが「Midori」に何か関係あるのか、あるとすればどのような意味を持つのかである。Redhawkについて初めて聞いたとき、Redhawkの成果物には新しいバックエンドコンパイラが含まれる可能性があるとわたしの情報源は述べていた。これにより、もしかするとMidoriの道が開けるかもしれない。MidoriはMicrosoftで技術戦略担当シニアバイスプレジデントを務めるEric Rudder氏が率いるインキュベーションプロジェクトで、分散・並列OSといわれている(いた)。だがここ最近、Midoriや同プロジェクトの状況についての話を聞いていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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