MicrosoftやAppleが参加する企業コンソーシアムCPTN Holdingsは、同団体によるNovell特許の買い取り計画について、オープンソースソフトウェアへの影響に対する独占禁止当局の懸念に対処するため、条件修正に同意した。
米司法省は米国時間4月20日、CPTN Holdingsが当初の契約を変更したと発表した。これにより、買い取り予定だった882件の特許および出願特許の一部は、購入ではなくライセンス提供の形で供与されると定められた。また、購入される特許についても、すべてGNU General Public License(GPL)およびOpen Invention Network Licenseに基づいて買い取られることになった。司法省はこの件でドイツ連邦カルテル庁と密接に協力してきた。
CPTNは、Attachmateが2010年11月に発表したNovell買収の一環として、Novellの特許を買い取る目的でMicrosoftにより設立され、現在はMicrosoft、Apple、Oracle、EMCが同額を出資している。CPTNはNovellの特許ポートフォリオを4億5000万ドルで購入する計画だった。
しかし、この契約はオープンソースコミュニティーの関心を集めた。Open Source Initiative(OSI)とフリーソフトウェア財団(FSF)は、オープンソースのソフトウェアを支えるNovellの特許がプロプライエタリなソフトウェアで財をなした企業の手に落ちることを憂慮し、2011年1月に規制当局に調査を要請した。Novellの特許を利用する際の条件をCPTN参画企業が変更するのではないかというのが、オープンソース側の懸念だった。
司法省反トラスト部門を担当する司法副次官補Sharis A. Pozen氏は「今回の当該団体による措置は、Novell特許の譲渡により生じる、差し迫った競争上の懸念に対処するものだ。技術革新と競争を推進するには、適切な特許譲渡の許可や特許権行使と、独占禁止法の執行の両立を図ることが重要だ」と語っている。
オープンソースのライセンスに基づいた特許買い取りのほかにも、修正された取り決めでは、Microsoftが購入することになっていたNovellの特許すべてについて、MicrosoftからAttachmateに売り戻すよう義務づけている。司法省によると、売り戻される特許、CPTNのほか3社が購入する特許、およびNovellがそのまま保持するすべての特許使用について、Microsoftは引き続きライセンスを得るという。さらに、仮想化製品の有力企業であるVMwareを傘下に持つEMCは、Novellの特許および特許出願のうち、仮想化に関連する33件については購入しないことになった。
修正後の取り決めについて、CPTNのまとめ役であるMicrosoftは、踏み込んだ見解はほとんど示さず、声明で次のように述べている。「CPTNの譲渡計画が承認されたこと、Novellの合併が前進していることをうれしく思う。将来にわたりNovellとの協力を継続し、ミックスドソースのITソリューションを顧客に届けたいとMicrosoftは考えている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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