Gartnerが米国時間4月14日に発表した速報値によると、「iPad」などの電子ガジェットの需要が拡大した影響で、2011年第1四半期の世界PC出荷台数は1.1%減少したという。
第1四半期の世界PC出荷台数は8425万台で、前年同期の8518万台から減少した。前年同期比で減少したのは、この6四半期で初めてとなる。3%の増加を予測していたGartnerにとって、この結果は意外なものだった。第1四半期のPC販売は低迷することが多いが、この下げ幅は予測可能な季節的減少のほかにも出荷台数減少の原因があることを示している、とGartnerは分析する。
Gartnerのアナリストである北川美佳子氏は、「成長を阻害した最大の要因は、コンシューマーPC需要の弱さだ。長い間成長を促進してきたコンシューマーPCにおける価格の低さは、もはや人々の購入意欲を刺激しなくなっている。代わりに、コンシューマーはメディアタブレットなどのコンシューマー電子機器に目を向けるようになった。「iPad 2」が2月に発売されたことで、代替デバイスの購入に切り替えるか、あるいは単にPCを買い控えるコンシューマーが増えた。われわれは現在、このトレンドがPC市場に長期的な影響を及ぼすのかどうか調査している」と述べた。
好材料の1つは、企業の既存PC買い替えニーズに伴う法人市場でのPC需要だった。この好材料がなければ、PC市場は近年で最大の下げ幅の1つを記録していたかもしれない、とGartnerは述べた。同社によると、リプレースPCの企業顧客への販売は2011年末から2012年まで続く見通しだという。
第1四半期の世界PC出荷台数をベンダー別に見ると、1位は合計1480万台を出荷したHewlett-Packard(HP)で、17.6%の市場シェアを獲得した。しかし、コンシューマーPC需要の低迷とアジア太平洋地域での問題のため、同社の市場シェアおよび出荷台数は前年同期から縮小した。
Acerは2位をキープしたものの、出荷台数が12.2%減少し、上位5位のPCベンダーの中で最大の下げ幅を記録した。タブレットを購入するコンシューマーの急増によって、かつて高い人気を誇ったネットブックの需要が縮小しており、同社は厳しい状況に直面している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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