(編集部注:こちらは、3月31日に公開の「MS共同創設者P・アレン氏、自叙伝でゲイツ氏を批判」に、オリジナル英文記事中にある未翻訳部分を追加し、一部を再編集して公開しています)
Microsoftの共同創設者Paul Allen氏の新しい著書は、Bill Gatesに狙いをつけたものだ。しかし一部の批評家によれば、この本の内容には事実でない部分があるという。
Allen氏の著書「Idea Man: A Memoir by the Cofounder of Microsoft」の草稿を入手したThe Wall Street Journal(WSJ)は、この本の大部分が、Allen氏の慈善家および起業家としての取り組みに焦点を置いたものだと伝えている。Allen氏の個人ウェブサイトでは、同氏は慈善事業に10億ドル以上を投じてきたとしている。また同氏はSeattle SeahawksとPortland Trail Blazersのオーナーであることから、スポーツ界でも有名だ。
しかし、最も注目されているのは、Microsoftの共同創設者Bill Gates氏に対する論評と批判だ。
Allen氏が最も強く不満を訴えている点の1つは、Gates氏が非常に早い段階から、自らの利益のために、Allen氏からMicrosoftの所有権を奪おうとしていたという主張だ。
Allen氏によると、同氏とGates氏が最初の大きな契約を取り付けたときから問題が始まったという。将来Microsoftとなる会社をついに設立というときに、Allen氏はこの会社の所有権の半分を得られるものと考えていたが、Gates氏の考えは違っていたとAllen氏は書いている。
Vanity Fairは米国時間3月30日、同著の引用を掲載した。その中でAllen氏は、Gates氏が「君が半分取るのは正当」ではないと言ったと主張している。Allen氏によれば、Gates氏は自分が「BASICに関するほとんどすべてのことをした」として、Gates氏が6割、Allen氏が4割になるよう分割すべきだと主張したという。
Allen氏はこの条件を受け入れたが、Gates氏にはさらに考えがあった。Gates氏は自分が60%以上受け取るべきだと言ってMicrosoftの所有権の64%を要求し、Allen氏の所有権を36%にしたとAllen氏は主張する。
Vanity Fairの引用によれば、Allen氏は自叙伝で次のように書いている。「64%ではなく62%にするようBillと交渉することもできたが、そんな気になれなかった。だから同意した。これで、少なくともこの件を片付けることができると考えたのだ」
しかし、それで終わりではなかったという。Microsoftが成長を続けるなかで、2人の共同創設者には、同社の運営を行える人物を見つける必要が出てきた。2人は1980年にSteve Ballmer氏を採用する。Allen氏は、この決断が共同創設者の間に亀裂が生じるもとになったと記している。1982年、Allen氏のMicrosoftの所有権に別の可能性が出てきたことで、その亀裂は大きく開くことになった。
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